「食品とは何か」−軽減税率めぐり深遠な議論続く


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消費税の軽減税率をめぐる大枠の議論は決着したが,具体的な個別の線引きをめぐる議論が早くも過熱している。

食品等への軽減税率の適用範囲は「酒・外食を除く食品全般」ということで与党間の合意が形成され,目下事務局で詰めている論点は「コンビニで買ったカップ麺にその場でお湯を注いでもらい店内で食べた場合の扱い」や「酒が含まれるブランデーケーキ等の扱い」など,極めて実務的なテーマに移っている。
しかしここにきて,「そもそも食品とは何か」という,より根本的な議論が始まっている。


現在,議論の焦点となっているのは2点。「食品の生産・製造に用いられる物資も広義の食品に含めるべき」という議論と,「人間が口にするものは全て食品に分類すべき」というものだ。


前者については,当初,飼料や肥料等の扱いをめぐる議論だったが,途中から「そもそも機械無くして現代の食糧生産は不可能」として,機械の稼働に必要となるガソリン・軽油等も「食品」に分類すべきという強硬論まで浮上。
日本総合研究所の試算によれば,「まったく食品と無関係と断定できるのは,現在の消費税課税対象物品のうち3%程度に過ぎない」となっており,こうした議論が際限なく広がると,事実上消費税の引き上げは不可能となりかねない。


一方,後者の議論はより深刻だ。
電球等の製造企業で構成されている日本照明工業会は27日,20年以上前の「世界ビックリ人間大賞」(フジテレビ)で放映された,インドの怪人・A氏がバリバリと電球を食べている映像を紹介して,「電球にも食品としての軽減税率を」「軽減税率が適用される新聞を読むのに不可欠な照明器具にも軽減税率を」と訴えた。
この怪人・A氏はかつて,自転車1台を分解して2日間かけて胃袋に収めたという記録も保持していることから,日本自転車普及協会も「ぜひ軽減税率を」と訴え始めている。
与党内では「食用として購入したことが明確である場合に限定して適用してはどうか」という方向で調整に入っており,「購入時に『私はこの電球(自転車)を必ず食べます』という誓約書を提出することを条件として軽減税率を適用する」「その後実際に食べたかどうか,税務調査も活用する」という案が有力となっている。


また,半導体や電子デバイス業界でも産業競争力向上の観点から「軽減税率を」という声が日増しに強くなりつつあり,日本電子デバイス産業協会では,「こうすれば美味しく食べられる!電子デバイスレシピコンテスト」を急遽実施することを決定,これらの製品を食品として認めさせようと必死に動いている。
CMOSイメージセンサをみじん切りにしてかき揚げにする」等,既に20点を超える応募が来ている模様であり,協会は「必ずいける」と自信を見せている。



この「食品」概念をめぐる議論は,倫理学者や医学者などを巻き込み「辞書」「ペット」「口紅」「歯磨き粉」までが議論の対象になろうとしており,与党幹部も果てしない展開に疲労の色を隠せない。



価値観が多様化した今,「消費」を安易に分類することの難しさを改めてかみしめる年末年始になりそうだ。