男性サラリーマンに過酷な試練−廃プラスチック問題対策で政府方針


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プラスチックごみ問題が世界的に注目を集めるなか、対応策として政府が打ち出した方針が、日本中の男性サラリーマンを打ちのめしている。



日本におけるプラスチックごみのうち、相当な割合を占めるのが、いわゆる「レジ袋」だ。
統計により差はあるが、日本全体で消費されているレジ袋の枚数は年間300〜400億枚程度とされており、石油消費量の増大につながっているだけでなく、相当量が風化していわゆるマイクロプラスチック化し、環境汚染に甚大な影響をもたらしていると言われている。
こうした問題に対応すべく、わが国ではレジ袋の有料化や「マイバッグ」持参運動等が展開され、家庭の主婦等による理解と協力もあり、一定の効果を発揮しつつある。


しかし、内閣府の統計で明らかになっているのが、男性サラリーマンの無理解だ。
スーパーやコンビニにおけるレジ袋の辞退率は、男性サラリーマンが群を抜いて低いという調査結果が明らかになっている。マイバッグを持参させようとしても「日常的に持ち歩くのは邪魔になる」としてほとんど協力が得られていないのもまた実情だ。


世界的な環境問題への関心が高まるなか、「これは、もはや政府として放置できる問題ではない」と判断した首相官邸では、一種の強硬策を打ち出すことを決め、22日の閣議決定後、同日の官房長官会見で発表した。
それが「男性用ビジネススーツへのマイバッグ縫い付けの義務化」だ。
これは、来年4月1日以降に販売されるビジネススーツについては、ポケットの代わりにマイバッグを縫い付けた状態で販売することを義務付け、「マイバッグ無しスーツの販売」「簡単にマイバッグが外せるような縫製」等の違反行為に対しては最高50億円の罰金をもって臨むという、相当過激なものだ。


官房長官は会見で、「毎日着るスーツにマイバッグを縫い付けておくことで、男性サラリーマンもレジ袋を使う必要が無くなる」とそのメリットを強調。その後、担当大臣である原田義明環境相が、実際にそのスーツの試作品を着用して登場した。
ジャケットのポケット部分に2か所、スラックスの前後両方のポケット部分の4か所、計6か所に縫い込まれた巨大なマイバッグには、それぞれキャベツ2玉ずつ、計12玉が入れられており、その異様なフォルムに会見場内は騒然とした。
原田大臣の「これだけの荷物があっても、手が空いているので動きやすい」という得意げな説明には誰も耳を貸さず、場内からは「恥ずかしくてとても着用できない」「重い荷物を入れるとスーツ本体が破れてしまうのでは」等の質問が相次いだが、官房長官からは「環境問題から逃げることは許されない、何としても国民の理解を得て実現させる」という強い決意が繰り返し表明された。
その後の安倍首相のぶら下がり会見でも、「先般の日露会談で北方領土問題の解決に向けて70年ぶりに動き出したが、今度は『省エネルック』以来約40年ぶりに、政府としてビジネスマンの衣服のデザインそのものにコミットすることで、環境問題を大きく前進させる」と強い決意をみなぎらせた。


紳士服業界は、今回の政府方針に対して賛否両論で二分されている。
アオキインターナショナルは「スーツの買い替え需要で売り上げが伸びる絶好の機会」と捉え、早速全店で「マイバッグスーツフェア」を他社に先駆けて来年1月から大々的に展開する予定だという。
一方、「はるやま」などは「クールビズや在宅勤務の普及など、ただでさえスーツを着る機会が減っているのに、今回の方針を機として、社会人のスーツ離れが一気に加速するのではないか」と強く懸念し、関係省庁に働きかけを始めた模様だ。


こうした動きに対して政府は「イメージ戦略で対抗する」(官邸筋)と、海外の高級ブランド紳士服メーカーに対し「マイバッグ付高級スーツ」の開発を依頼したほか、「ダサいと思われるものをカッコよく見せる天才」と高く評価するDA PUMPを、政府広報のイメージキャラクターとして採用する方針を固めた模様だ。


上着やスラックスから巨大なマイバッグをダラリとぶら下げたサラリーマンが行きかうオフィス街の光景が現実のものとなるかどうか、注目が必要だ。