ますます広がるAI活用―大相撲も5月場所から様変わり

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


AIをはじめとする最新テクノロジーの活用が幅広い分野で進められているが、日本の伝統的スポーツである大相撲の世界にもいよいよその波が到来した。

世の中の変化にさらされる、日本相撲協会の取組みと苦悩を追った。

 


大相撲の優勝力士表彰式で、一種の名物となっているのが「内閣総理大臣杯」の授与だ。

重さ40㎏以上とされる杯を一人で持ち上げ、体力をアピールしようとして、首相やその代理者である閣僚等が無理をし、結果腰を痛めてしまうという事例が過去数例あった。

このような悲劇を繰り返さないよう、5月場所から導入されるのが超強力な「パワースーツ」だ。

これを着用すれば、普通の成人でも最大1トンの物体を軽々と持ち上げられるようになるといい、早速5月場所では安倍首相自らが着用して、表彰式に登場するものとみられている。
官邸では「パワースーツがあるなら、この際、内閣総理大臣杯を従来の10倍サイズに作り直し、総理の威光を天下に知らしめよう」という案が検討されているという。ただ、受け取る優勝力士は変わらず生身であるため、日本相撲協会は「従来通りのサイズでお願いしたい」と懇願している模様だ。

 


また、上位力士や人気力士の取組みに寄せられる「懸賞」にも変革の波が押し寄せている。
現在は、懸賞金(1本につき62,000円)のうち、協会が手数料としてその一部を差し引いているが、スポンサーにしてみれば「全額を力士に渡したい」というのが心情だ。また、事前の協会あて手続の煩雑さも課題とされてきた。
そうした問題を一気に解決すべく、5月場所から導入されるのが「力士QRコード懸賞」制度だ。
これは、土俵に上がる全ての力士の背中に、巨大なQRコードが印刷されたシールを貼り付けるものだ。
観客は、応援したい力士が土俵に上り、取組みが始まるまでの間に、自身のスマホで力士のQRコードを読み取り、懸賞金額を入力する。
懸賞金総額は、場内のモニターにリアルタイムで表示され、力士の発奮を促す。
そして、その力士が勝った場合に限り、入力された懸賞金額が当該力士の口座に入金されるという仕掛けだ。
4月に開催された巡業で実証実験が行われたが、懸賞金の件数・金額ともに飛躍的に増加するという結果が出たという。
サービスプロバイダ各社では「QRコード決済を爆発的に広める絶好の機会」として、自社を採用するよう強力に働きかけている。
現在のところ、二所ノ関部屋八角部屋所属力士は楽天ペイ、二子山部屋東関部屋はペイペイ、春日野部屋はLINEペイ、九重部屋はアリペイが契約を勝ち取る等、業界全体の激しい競争をそのまま相撲界に持ち込んだ形となっている。

 


そして何よりも大きく変わるのが、取組みそのものだ。
巨体の力士同士が激しくぶつかるのが大相撲の醍醐味だが、その激しさゆえに力士の怪我もまた深刻であり、将来を嘱望されながら怪我のため不本意な引退を余儀なくされる力士も少なくない。
そうした相撲界の抱える問題を抜本的に解決する切り札として登場するのが、「AI行司」だ。
特殊ゴーグルを着用した行司は、土俵上に立つと、取組みを前に仕切りを繰り返す2人の力士を交互に凝視する。ゴーグルが捉えた両力士の表情、汗の量、微細な筋肉の動き等は即座にデータ化され、過去の膨大なデータと照合されたうえで、どちらの力士が勝つ可能性が高いかが行司に伝えられる。
制限時間いっぱいになるまでの間に蓄積されたデータを用いれば、限りなく100%に近い精度で、どちらの力士がどのような決まり手で勝つのかが予測できるという。そのため、立会いの直前で行司が取組みをストップさせ、AI予測による勝者名を高らかに宣言して、取組みを終えさせる、というものだ。
実際に激しくぶつかることもないため、少なくとも本場所の取組みにおいて怪我を負うリスクはほぼゼロとなる、という画期的なアイデアだ。

「こんな大相撲をいったい誰が楽しんで観るのか」
「力士が稽古に励む意味が無くなる」
等、激しい批判もあるが、この取組みを推進する日本相撲協会八角理事長は「怪我を嫌い、力士志望者が減少する一方の現状を考えればやむを得ない選択だ」と、苦しい胸の内を明かす。
この取組みには、選手の怪我に悩む他の競技団体も強い関心を寄せており、ボクシングやレスリング、柔道等の各団体から視察が相次いでいるという。

 


協会では、将来の力士減少時代に備え、「アンドロイド力士」の導入研究も密かに進めている模様だ。
そもそも大相撲とは何なのか、そして伝統とは何なのか、その概念が根底から変わる可能性もありそうだ。