JR九州「ななつ星」運行開始−広がる波紋

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国内外の大きな注目を集めるなか,営業運転を開始したJR九州の超豪華列車「ななつ星in 九州」。
その運行は,地元や鉄道業界に様々な波紋を投げかけている。


ななつ星」という名称は,九州7県それぞれを星に喩えたもの。「クルーズトレイン」というコンセプトのとおり,乗客は単に車窓から九州各地の風景を楽しむだけではなく,湯布院,阿蘇など主要観光地での下車観光もセットされている。
だが,その下車観光のあり方に佐賀県が噛み付いた。発着地である福岡を除く長崎,熊本,鹿児島,大分,宮崎の各県では,いずれも下車観光がセットされているが,佐賀県だけは素通りするプランとなっているのだ。

26日,初めて「ななつ星」が佐賀県内を通過するこの日,JR佐賀駅ホームには抗議のために多くの佐賀県民が集合。時速40kmで通過しようとする「ななつ星」の先頭機関車に向かって,有明海のムツゴロウ,呼子の活イカなど,佐賀県が誇る名産品を次々に投げつけ,これらが運転席の窓に貼り付き視界が遮られたため緊急停車する騒ぎとなった。

JR九州側は,「このような乱暴なことをされると,ますます佐賀県には停車できなくなります」と,冷静になるよう呼びかけたが,その後もJR武雄温泉駅では,嬉野温泉名物の「温泉湯豆腐」が大量に浴びせられるなど,県民の怒りは収まっていない。


一方,全国の鉄道各社では,JR九州にならい超豪華列車の導入検討が進められている。その先陣を切ったのは意外にも東京メトロだ。

25日の記者会見で同社の奥社長は,11月1日から東京メトロ丸ノ内線で,超豪華通勤列車「グランドメトロ丸ノ内号」を走らせると発表した。
通常の丸ノ内線車両は1両あたり定員が130名程度,6両編成で800名弱の乗客を運ぶが,この「グランドメトロ丸ノ内号」は,オール個室で1両あたりの定員はわずか3名。6両で18名の乗客を大切に運ぶことになる。
各車両には専属のキャビンアテンダントが乗車し,乗客に朝食サービス等を提供する。朝食は乗客の忙しさに配慮してお茶漬けとしているが,永谷園の「海苔」「梅」「鮭」の3種類から選べるという豪華さだ。


この「グランドメトロ丸ノ内号」のもう一つの特徴は,乗車の仕組み。
平日の朝6時から8時までの間に通勤定期で改札を通過すると,数百分の1の確率で「当たり券」が発行され,この当たり券を呈示することで乗車できる,というものだ。
「平日の朝,憂鬱な駅までの道のりを,ワクワク感にあふれるものに変えたい」(奥社長)という試みだが,ハズレとなった乗客は当然ながら普通の列車に乗車することになる。「グランドメトロ丸ノ内号」の導入で通常車両の運転本数は減少するが,総輸送力が減少しないよう,通常車両については全ての座席を撤去(優先席は除く)し,1両あたりの乗車定員を30%増加させる。
極めて優雅な通勤となるか,従来以上に激しく混雑した一般車両での通勤となるか,丸ノ内線利用者にとっては何とも複雑な新サービスの登場ということになりそうだ。


今後も続々と登場するであろう,豪華列車のラインナップにますますの注目が必要だ。