人権・倫理を顧みる動き広がる-五輪での騒動契機に

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

 

東京五輪関係者による度重なる失言、過去の問題行動等をめぐるドタバタ劇。これ

らによって図らずも浮き彫りにされたのが、わが国と世界の人権・倫理感覚の

ギャップだ。

「悪気は無かった」「その場のノリで」といった弁明が全く通用しないことに、思

わず自分自身の行動を顧みた人も多かったのではないだろうか。

そうした空気の所産なのか、近時、人権や倫理という観点から、従来の取組みや慣

行を大きく見直そうという動きが広がり始めている。

前例に囚われない新たな方向を模索する、現場の動きを追った。

 

東京・人形町の有名軍鶏料理店「T」。

その店主は、同店の看板メニューでもある「親子丼」で使用する鶏肉と卵につい

て、詳細なトレーサビリティ情報を開示することを決意した。

契機となったのは、日本で数か月にわたり各種の取材を続けている、ある海外

ジャーナリストの来店だったという。

日本語が読めないこのジャーナリストは、英語メニューをリクエスト。

通常、英語メニューでは「親子丼」は「Chicken and Egg Bowl」と表記されること

が多いが、同店では直訳した「Parents and Children Bowl」と表記していた。

意味が分からないため店員に所以を尋ねたジャーナリストは、「親と子を一緒に食

べてしまうとは何という残酷さ」と衝撃を受け、「生命あるものを頂く、というこ

とに対する畏敬の念が微塵も感じられないネーミング」とSNSで酷評、あっという間

に世界中に拡散される事態となった。

これを受け、店主は「鶏肉と卵を使う料理なんて、世界中どこでもあるはずなの

に」と納得はしていないものの、事態を収拾させるべく動くことにしたものだ。

具体的には、親子丼一品ごとに使用する鶏肉と卵の生産・流通履歴を詳細に開

示、「使用されている鶏と卵の間には、実の親子関係は存在していない」ことを証

明する、というものだ。

一部識者は「事の本質が全く理解されていない対応ではあるが、トレーサビリティ

という観点で情報開示が強化されること自体は悪いことではない」と微妙な評価を

下している。

 

 

現在開催中の夏の甲子園大会。

不自然なまでに長髪の選手や、金髪などカラフルな選手が目立つことにお気づきだ

ろうか。

これは、多くの出場校が選手の髪型を「丸刈り」に統一していることについ

て、「人権無視」として海外から批判を受けることを懸念した高野連が7月末に急

きょ、出場全校に対して緊急通達として「髪型の自由化促進」を指示したことによ

るものだという。

通達内容は、(1)各校とも野球部員全員丸刈りという規則・内規を至急廃止する

こと (2)甲子園大会でベンチ入りする選手のうち、少なくとも3割以上は黒

髪・丸刈り以外の髪型の選手を含めること という2点だという。

この通達を受けた各校は困惑。通達(1)は対応可能として、(2)は開会までの1

週間余りで急激に髪を伸ばすことも出来ないため、各校では教師等が宴会芸用に所

有していたカツラを選手に着用させたり、急きょ髪をカラフルに染めたりという対

応を迫られることとなった。

長髪のカツラは、プレーの邪魔になるため出場各校とも先発メンバーではない控え

選手に被らせる措置を取っている模様だ。監督からの伝令のために、長髪をなびか

せながらマウンドに駆けていく控え選手の雄姿が今夏はたびたび見られそうだ。

 

 

人気ドラマ「半沢直樹」のDVDから、全ての「土下座」シーンを削除することも決

まった。

現代日本において、相手に対して精神的な隷従を迫るこのような行動が容認され

ていると見られるのは海外ビジネスにおいて致命傷だ」とする日本経団連からの強

い申し入れによるものだという。

制作のTBS側は「ドラマ上の演出にまで忖度するのは行き過ぎではないか。そもそも

放映終了から1年も経った今になって、海外の目を気にするとは」と強い不快感を隠

さないが、テレビ局にとって大半のスポンサーが加盟している経団連の申し入れを

無視するわけにもいかず、泣く泣く受け入れることにしたという。

ただ、土下座シーンはいずれも、ストーリー展開上極めて重要な場面ばかりであ

り、単純にカットしてしまうと話がつながらなくなってしまうという問題があ

る。TBSでは当初、「深々とお辞儀をするシーン」や「詫び状を書くシーン」を撮り

直して差し替える方針を検討したが、出演者のスケジュール調整が付かなかったた

め、「土下座する出演者の映像にモザイク加工を施す」という対応で凌ぐことにな

りそうだ。

 

 

今回の件を契機として、日本国民の人権・倫理観がどう変化していき、日常生活が

どのように影響を受けることになるのか、引き続き注目が必要だ。