まだ間に合う!この冬見るべき映画特集


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今回の年末年始シーズンも、映画界において話題作の公開が相次いだ。そうした話題作を鑑賞するのもよいが、主に単館ロードショーで公開される隠れた問題作も数多い。
本日は、まだまだ続くこの冬の余暇の過ごし方の参考として、今見るべき映画3本を紹介する。


「官邸はバーミヤン」(12月8日公開;大井町シネマパラダイス他)

人気シリーズ映画「探偵はBARにいる」に何となく似た感じのタイトルだが、内容はかなり異色のドキュメンタリー映画だ。

舞台は永田町の首相官邸。足元では税収見込み額が上振れるなど、財政的にはやや安堵感が広がっているものの、わが国財政の厳しさには何ら変わりはない。そうした中で国・地方ともに歳出は増えるばかりとなっており、プライマリーバランスの黒字化目標達成時期も先送りせざるを得ない情勢だ。
こうした状況に対して、「官邸自ら率先して、国家財政立て直しのためにやれることはすべてやる」(政府首脳)ための取組みをリアルタイムで追い続けたドキュメンタリー映画だ。

具体的には、官邸内の余裕あるスペースを最大限に活用してレストラン等を誘致し、賃料収入を確保し、国庫に納付するという取組みだ。
永田町界隈には、昼食をとるためのまとまったレストラン街等はなく、官庁で働く公務員らの「ランチ難民化」が問題になっている。そうした状況の解決策にもなるとして、首相自らの決断で話が進められることになったという。

主要外食関連企業による競争入札の結果、見事に運営権を獲得したのは、多様なブランドを擁するすかいらーくグループだ。
同グループは、永田町近辺に店舗が存在していない中華料理「バーミヤン」を官邸に入居するメインテナントとして決めたうえで、あわせて「ガスト」「ジョナサン」「夢庵」の3店舗も出店させる計画を提出、既に承認されているという。
元来飲食店経営には向いていない官邸の内部に、どのようにして短期間で店舗設置を成し遂げるのか、IHではなく直火を使った調理が命である中華料理について防火体制は万全なのか、「中華」をメインに据えたことに対して中国はどう反応するのか、そもそもどのくらいの客が来店することになるのか、そして安倍首相は何を食べるのか・・・。
これほど見どころ満載のドキュメンタリー映画は近年稀、と言えよう。

映画の最後では、首相官邸スタッフが手の空いた時間に「ガスト」でアルバイトをし、そのバイト代を国に寄付する様子も描かれている。「財政立て直しのために、微力であっても貢献したい」というスタッフの言葉に、思わず目頭が熱くなる。
なお、実際の「バーミヤン」営業開始時期は現段階では未定だ。開業前に勝手に官邸に立ち入ろうとすると警察に拘束される可能性があるので気を付けよう。



「破格の年金受給」(12月15日公開;亀戸名画プラザ他)


絶賛公開中の「鋼の錬金術師」と勘違いした観客を当て込んでいるのではないか、と噂されている問題作。

主人公の松浦(小日向文世」は、2人の子供も独立し、今は妻との二人暮らし。65歳を迎え、今後の生活をどうするかを2人で相談していた。そんななか、初めて振り込まれた年金の金額を見て松浦は腰を抜かした。事前に知らされていた金額の100倍もの額が振り込まれていたのだ。
「これは何かの間違いだ」と、正直に電話で問い合わせをした松浦のもとに、謎の男たちがやってくる。
彼らは信じられないことを口にした。「年金受給者1万人に1人の割合で、本来の支給額の100倍を支給するという秘密のルールが存在するのです」

彼らの説明によれば、予想外に多額の年金支給を行うことで、消費意欲を激しく刺激し、わが国の景気回復を確たるものにする、という崇高な目的があっての施策だという。
松浦は彼らの説明に納得し、「そういうことなら、国家に貢献しよう」と、豪華客船クルーズ、自宅の大規模リフォーム、別荘の購入など、これまでは考えられなかったような支出を次々と行う。
そしてやってきた2度目の年金支給日、松浦は再び目を疑う。今回の振込額は、本来予定されていた額、すなわち初回の100分の1だけだったのだ。
男たちの「生涯に一度だけですが」という説明を聞き洩らし、「100倍の年金が生涯にわたり支給される」と勘違いして多額の借金を背負ってしまった松浦、そしてその彼を強く責める妻。急に羽振りがよくなった松浦夫妻に対するご近所さんの不審な目。
追い詰められた松浦は、テレビCMで観た宝くじに全てを託すべく、受給額全額を「ロト7」に投入。果たして松浦夫妻の運命は・・・。



「最後の私大」(12月22日公開;練馬オデオン他)


スターウォーズ/最後のジェダイ」を意識したかどうかは不明だが、ストーリーは全く異なる。

2020年、少子化の進行に加え、某大学の学部新設問題をめぐる政治的混乱等の影響もあり、大学を新設しようという気運が完全に途絶えている日本。
「このままでは沈みゆく一方のわが国を何とかしなければ」という強い危機感を抱いた60歳代のシニア達が、これからの時代を生き抜く気概と智慧を身に付けた若者を養成すべく、私立大学の新設に動き出した。
しかし大学設置のために必要な手続、準備等のあまりの多さに彼らは呆然と立ち尽くす。

絶望的な状況に追い込まれたそんな彼らに、奇跡が起きる。
稲光とともに、天から福沢諭吉大隈重信の2名が地上に降臨してきたのだ。
慶應義塾大学早稲田大学という日本を代表する私立大学を創設した彼らが新大学設立の力強い援軍として舞い降りてきたのだ。喜んだシニア達は、早速文部科学省に提出する書類等の作成を彼らに頼んだが、現代人には当たり前のパソコンの前で、2人とも何をしていいのか分からず腕を組むばかり。
一向に作業がはかどらず、再び大学設立が暗礁に乗り上げようとしたとき、また稲光とともに、今度はハーバード大学創設に関与した牧師、ジョン・ハーバードが降臨。

ハーバードは彼らの危機を救うことができるのか、あるいはさらに大昔の大学創設者が降臨し続けるのか、また彼らは天に戻ることができるのか・・・。