男子フィギュア代表選考で特例−高橋,織田両名で出場へ

審査ミスにより優勝と2位が逆転するという極めて気まずい幕切れとなった全日本フィギュア(男子)の結果を受けて,今晩にもトリノ五輪の代表選手が発表されるが,日本スケート連盟は今回の経過を考慮し,2名とも出場させる方向で調整に入った。
日本の男子出場枠は1名のみであるが,昨晩の結果を受けて日本スケート連盟で「1名のふりをして演技する分には2名以上出場してもいいのではないか」という議論が急浮上,国際スケート連盟に打診したところ「明確に禁止する規定はない」という回答を得たため,本格的な検討に入ったもの。
関係者によると,日本代表選手の登録名を「大輔と信成」として,高橋大輔選手・織田信成選手の2名を1ユニットとして出場させるという。これはもちろん,大ヒットしたドラマの主人公「修二と彰」にヒントを得たもので,トリノでの演技の曲目も「2人でひとつ」ということを強調するため「青春アミーゴ」に変更。
なお,1名として演技するため,「二人羽織」形式か「肩車」形式かを選ぶことになるが,今のところは「すんぐりむっくりに見える二人羽織よりも高さが映える肩車の方がいいだろう」ということで肩車方式が選ばれる見通し。この場合に問題になるのがどちらが上に乗るかということ。あくまで1人として演技するため,全身タイツに身を包むことから下の選手は顔が見えなくなる。連盟としては高橋選手の「世界一のステップ」を生かすため,上段を織田選手にしてはどうかと考えている模様だが,高橋選手のイケメンぶりが生かせなくなること,また二人が同じ大学の先輩後輩関係にあることも考慮して「高橋を上にしてはどうか」という意見も根強い。
上半身と下半身を逆方向に三回転させる「ぞうきん絞りトリプルアクセル」など,独自の技をこれから開発してトリノの表彰台を目指したい,という連盟の意向はしかし,まだ本人達には一切伝えられていない。