モンゴル相撲協会が日本相撲協会にTOB−ホワイトナイトも続々登場

この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。

外国人力士の躍進ばかりが目立つ大相撲にまた海外から大きな波が押し寄せてきた。
モンゴル相撲協会(本部:ウランバートル)は10日,財団法人日本相撲協会に対して,TOB(株式公開買付)を開始,経営権の取得を目指すことを公表した。「財団法人に対する海外からのTOB」という前例のない事態に,日本相撲協会は大混乱に陥っている。
モンゴル相撲協会の発表によれば,買付対象とするのは親方・理事になるために必要ないわゆる「年寄株」。これを取得し,協会経営に理事として参画することで実質支配を目指すというプランだ。
総額150億円もの大金を投入するこの計画が持ち上がったのは,モンゴル相撲協会幹部によれば「昨年の11月頃」だという。現在の大相撲を席巻するのは軒並み外国人力士で,朝青龍を筆頭とするモンゴル勢,琴欧州を筆頭とする東欧勢,露鵬などのロシア勢,その他中国出身の力士なども徐々に頭角を現しつつある。この出身国構成を見た同協会幹部の間で「まるでチンギス=ハーンの時代に我が国が支配した地域そのもの。頂点が我がモンゴルという点も同じで,このような組織は日本ではなく我が国が支配するのがふさわしい」という意見が急速に盛り上がってきた。こうしたモンゴル国内の盛り上がりとは逆に,日本人力士の活躍が目立たないために日本国内では大相撲人気の低落に歯止めがかからない状態が続いており,その影響で1株3億円とも4億円とも言われていた「年寄株」の相場が暴落していた。こうした機会を捉え,モンゴル相撲協会TOBを仕掛けたという見方が有力であり,機を見るに敏な同協会の行動力にはM&A界の有力者たちも舌を巻いている。モンゴル相撲協会が呈示する年寄株の買取価格は相場の3倍とも5倍とも言われる水準であり,部屋運営で多額の負債を抱える親方を中心に譲渡に応じようという動きも出始めている。現在の協会規約では,年寄株取得には力士として一定の地位を経験していることが必要とされているが,モンゴル相撲協会では年寄株譲渡を内諾した理事たちに,理事会で規約変更動議を提出させ,年寄株取得条件を撤廃させる腹積もりだ。
同協会による日本相撲協会支配権取得が成功した場合,まず手がけられるのは「年間開催日数の大幅増加」となることは間違いない。同協会幹部は「幕内力士でも年間90日しか取組みが無いというのは明らかに少なすぎる。取組一番あたりの所要時間を20秒とすると,力士は年間で20秒×90番=30分しか働いていないことになる。怠けるのもいい加減にしろ,と言いたい」と語気を荒げている。モンゴル相撲協会の傘下に入った場合,「年間開催日数300日,1力士の1日当たり取組み数10番」と,現在の30倍以上の過酷な取組みが力士に要求されることになりそうだ。こうした事態を危惧する日本相撲協会ではモンゴル相撲協会に対して「格闘技の協会らしく,双方から5名の代表を出して相撲で決着したい」という申し入れを行ったが,モンゴル側は「そんな前近代的な決着は21世紀にふさわしくない」と拒絶。既に年寄株のうち6名跡の譲渡は確実視されており,票読み合戦も徐々に活発化している。

こうした空気に危機感を感じたのか,日本国内外から相撲協会救済に名乗りを挙げるホワイトナイト白馬の騎士)も登場してきている。
当初,同じ格闘技ということで有力視されていたK−1,PRIDEなどが「曙の印象が悪すぎて手を出しづらい」と軒並み救済に否定的な中,最有力候補として登場したのが「オリ○ン弁当」でおなじみのオリ○ン東秀。現在,ドンキ○ーテからTOBを仕掛けられている同社では,イ○ンがホワイトナイトとして登場,イ○ングループ入りに望みをかけているが,どちらにしても他の企業の傘下に入る点では同じで,社内の雰囲気が沈滞気味になっているという。「他社からTOBを仕掛けられるだけではなく,当社自身も他企業にTOBを仕掛けることで,社員の士気を鼓舞できないか」という視点で急遽TOB先を探していた矢先に今回の案件に遭遇したもの。
同社にしてみれば,日本相撲協会を傘下に入れることで,大食漢揃いの力士・相撲部屋という巨大な市場を手に入れることになる。また,年6回の本場所等における弁当販売も一手に担えるほか,両国国技館の地下にあり,年間45日の本場所開催日しか稼動していない焼き鳥等の惣菜工場を利用して製造・販売網を拡大できるなど,メリット満載だ。相撲協会側も,中堅理事を中心に「食べ物屋の傘下に入れば食いっぱぐれはなさそうだ」と概ね好意的な反応を示している。

有力ホワイトナイト候補のなかで異色なのが,ジャニー○事務所。同事務所では社会に様々なタイプの男性アイドルグループを送り出し続けてきたが,徐々にマンネリ化が進んでおり,全く斬新なジャンルの開拓が喫緊の課題となっていた。そうしたなかで同事務所が出した結論が「肥満系アイドルグループ」という新ジャンルへの進出。「肥満=格好悪い」という既成概念を覆すことができれば,未開拓の領域だけに爆発的な売上も見込めると判断,その供給元として大相撲界に目を付けたものだ。同事務所ではTOBに成功した場合,現在の相撲部屋をすべて解体,新たにジャニー○事務所が創る30のユニットに全力士を再配置する大再編を実施する意向だ。本場所開催中以外は,ユニットごとにアイドルグループとしての活動をさせたいとしている。「V6」ならぬ「LL6」,「少年隊」ならぬ「肥満隊」,「嵐」ならぬ「まわし」などのユニット名検討が早くも進められている模様だ。この案は,「本当はアイドルになりたかった」という若手現役力士中心に人気が高く,オリ○ン東秀を支持するベテラン勢との間で意見が分かれているという。ジャニー○事務所では「ゆくゆくはアイドル候補のスカウトと力士候補のスカウトを一本化し,採用後に配属先を決めたり,両部門間の人事交流も図りたい」としている。アイドルとしてデビューしたが人気が出ず,ストレス太りすると力士部門に回されるなど,様々な人間模様が見られそうだ。

こうした動きと一線を画した形で,日本国内の相撲ファンが「新理事長候補」として担ぎ出したのが,先日米国FRB議長を退任したばかりのアラン・グリーンスパン氏(79)。長期にわたり,米経済を絶妙の金融政策でリードしたその手腕はまさに神業という評価を受けているが,10年前にテレビ朝○の番組「万国そっくりさんショー」に指圧師・浪越徳治郎さん(故人)のそっくりさんとして来日・出演した異色の経歴も持つ。このときの浪越さんとの共演をきっかけにお互いを「人体の名指圧師」「米経済の名指圧師」と呼び尊敬しあう仲になったという。相撲好きとして知られる浪越さんの影響を受け,グリーンスパン氏も大の相撲ファンとなった。そうした経緯を承知している全国相撲ファン協会(会長・デーモン小暮氏)が,「今回の買収劇は相撲人気の低下も一因になっている。日本相撲協会の理事長に就任,相撲人気を立て直すことで買収から協会を守ってほしい」というラブコールを送ったところ,意外にも快諾されたもの。この動きには北の海理事長も賛同している模様で,関係者によれば,グリーンスパン氏に北の湖同様,「一代年寄」の資格を与え,「グリーンスパン親方」として協会理事長に就任させる案を想定している模様だ。
人気力士が活躍すると人気が沸騰するが,スター不在になると途端に観客が入らなくなる,という浮沈の激しい歴史を繰り返した大相撲に対して,グリーンスパン氏は「息の長い,安定した観客動員確保を目指したい」と関係者に漏らしているという。具体的には,マクロ経済動向から個別力士の体調まで幅広い情報を踏まえたうえで本場所の入場料を機動的に上下させて観客動員を安定させる方策をとるのではないか,という見方が有力だ。なお,一部で主張されている「観客動員目標の設定」については,「経営の柔軟性・機動性を損なう」として否定的な考えを示しそうだ。「マエストロ」から「親方」への華麗なる転身が実現するか注目される。

モンゴル相撲協会,オリ○ン東秀,ジャニー○事務所,グリーンスパンFRB議長という,全く接点のない四者による日本相撲協会争奪戦はまさに「待ったなし」の状況に入りつつある。