原油価格高騰で航空会社が代替燃料活用へ−全日航は芋焼酎でフライト成功

 
日航は31日,従来のジェット燃料に比べて大幅に割安でしかも性能のよい新燃料を発見したと発表,11月1日の東京−鹿児島線から順次切替えていくことを明らかにした。

近年の原油価格の大幅上昇により,ケロシンを主成分とするジェット燃料も高騰,航空会社の経営を圧迫する要因となっており,全日航では独自に代替燃料を研究してきたが,低コストで効率のより代替品がなかなか見つからず苦戦が続いていた。
そんな中,研究チームの懇親会でかなりの量のアルコールを摂取した研究員が「ぶっ飛んだ行動」(出席していた他の研究員)に出たり,「記憶が飛んだ」(同)参加者が出るなどしたことから,「アルコールで人間が飛べる以上,飛行機も飛べるのではないか」という意見が出て,各種のアルコールによるエンジン燃焼実験を行うことになった。その結果,ビールやワインなどの低アルコール濃度飲料では無理だが,20度以上の度数のアルコールであれば十分な出力を得られることが証明できたもの。研究に立ち会った全日航社員によれば,最高のパフォーマンスを示したのは芋焼酎で,「ケロシン系ジェット燃料比120%の推進力を得られた」という。全日航では芋焼酎が豊富に入手できる鹿児島空港を基幹空港と位置付け,同空港をベースとする機材に「魔王」森伊蔵」「村尾」など,芋焼酎の有名ブランド名を命名。また,東京−那覇線では泡盛を燃料に使用するなど,地域色を豊かに打出した戦略も進める予定だという。
また,もう一つの目玉は超長距離路線への参入。芋焼酎等のアルコールは「飲料」でもあることから,客室内に貯蔵することが可能となり,燃料タンクの容量を超えた芋焼酎を客室内に積載して離陸,途中で燃料タンクの補充を行うという方法で,成田−サンパウロ間の直行便を就航させる予定だ。総重量制限のため,搭乗可能乗客数に制約があるものの,これまでと比較して20時間以上の所要時間短縮が見込まれるという。客室内の燃料タンクからは乗客も自由に焼酎を飲めるようになっているが,飲みすぎると燃料不足で緊急着陸の可能性もあるので気をつけたほうがよさそうだ。ただ,芋焼酎の難点は寒さに弱いこと。ヨーロッパ線への投入を検討したが,アルコール度数が25℃前後と比較的低い焼酎では,厳寒のロシア上空で「燃料が凍ってしまうリスクがある」という。このため,「ロシアと言えばやっぱりこれでしょ」と,燃料としてアルコール度数60度のウオッカを搭載することを決め,試験飛行を開始している。また,メキシコの大手航空会社ではこのニュースを受け,試験的にテキーラを燃料として飛行したところ,民間一般旅客機としてはほとんど有り得ない最高速度マッハ1.4を達成するなど,燃料としての高パフォーマンス性が確認されたため本格採用に向けて踏み切る方向だ。メキシコ国民も「テキーラはわが国の誇り」と,今回の決定を大歓迎しているなど,「アルコールで飛行機を飛ばす」というのが世界的な潮流となりつつある。
一方,全日エアではより低コストの代替燃料を求め,「ソフトドリンクが燃料にならないか」(同社幹部)検討しているが,芳しい成果は上がっていない。麦茶,南アルプス天然水,CCレモンなどでエンジン燃焼実験を繰り返したということだが,「多分無理だと思っていたがやはり全然駄目だった」(同)と元気が出ない。「今度は青汁を試したい」としているが,「もっと他にやるべきことがあるのではないか」と国土交通省の視線は厳しい。