進む中国の宇宙開発−2020年まで予定ギッシリ,焦る日本

神舟5,6号と,連続有人宇宙飛行に成功した中国が,宇宙開発にますます加速を付けている。
2007年に予定される神舟7号が船外宇宙遊泳,神舟8・9号は宇宙船同士のドッキングをテーマとして開発されていることは既に公表されているが,このたび本紙の取材で,2020年にかけての計画も明らかとなった。
神舟10号は「一家揃って宇宙飛行」をテーマに,祖父母2組4名,夫婦3組6名,子供合計3名の計13名の一家による飛行を目指す。信頼性が高まっているとはいえ,宇宙飛行には相当なリスクが付きまとうのも事実。「喜びも悲しみも家族で分かち合う」という視点でこのような計画が持ち上がったもの。「家族愛」と「宇宙開発」の組み合わせは,国民にも非常に好意的に受入れられる見込みだ。
神舟11号は世界初の「幼児だけによる宇宙飛行」がテーマ。3歳から5歳の幼児だけによる宇宙飛行で,訓練から打ち上げ,帰還に至る一連のドキュメンタリーについては,「はじめてのおつかい(宇宙編)」として,日本のテレビ局が独占放映権を既に獲得した模様だ。いわゆる「一人っ子政策」の影響で中国の次代を担う層の薄さを懸念する向きに対して,今後のさらなる成長力をアピールしたい意向だ。
神舟12号は通常の有人宇宙船ながら,これも世界初となる「有人月探査船」「無人火星探査機」と連結された形での打ち上げとなる。「秋田新幹線などを連結して走る日本の東北新幹線の技術を参考にしたい」と開発陣は意気込む。
神舟13号はさらなるコストカットを目指し,打ち上げロケットの先端部分を平坦にした上で,宇宙服を着た10名の飛行士が組体操で先端部分を形成,そのまま宇宙に飛び立つという「ダイレクト宇宙飛行」を試みる。宇宙船が不要となれば,大幅なコスト削減が見込まれることから,次世代宇宙開発技術の目玉として取り組む方針だ。2020年ごろの飛行実施に向けて,早くも各地の雑技団で優れた技術を示している少年らのリストアップを進めている。宇宙での活動,地球への帰還方法など,課題は山積ながら「中国4000年の歴史の前ではたいした問題ではない」と強気の姿勢を示している。

日本では,有人宇宙飛行技術の開発に関して予算計上が認められる空気ではないが,偶然に初の有人宇宙飛行を達成したことが19日判明,打ち上げを担当した宇宙航空研究開発機構では喜びと当惑に包まれている。
結果的に初の有人宇宙飛行となったのは,19日にHⅡA型ロケットを利用して打ち上げられた最新型気象衛星「ひまわり2005」。20日,「ひまわり2005」が軌道上から初めて送信してきた衛星写真には,日本列島の姿はなく,サングラスをかけた男の顔がどアップで写し出されていた。「何かの故障か」と不審に思った研究員がロケットの打ち上げ時の映像と音声を解析したところ,ロケットの先端部分に黒い点が付着,わずかに動いていることが判明した。その部分をアップにした解析結果と,衛星写真に写っていた男の顔,打ち上げ時の爆音にまぎれてかすかに「加速度フゥー!」という人の声が確認できたことから,タレントのレイザーラモンHGさん(29)が勝手にロケットの先端部分にしがみついて発射されたものと断定。そのまま無事宇宙空間に到達し,「ひまわり2005」にしがみついていることが確認できたもの。
どのようにして生命を維持しているのかは不明ながら,22日現在もレイザーラモンさんは健在,「ひまわり2005」のカメラに顔を押し付けたまま「顔面天気予報」を送信し続けている。
このままでは気象庁の業務に重大な支障が生じることから,同庁と宇宙航空研究開発機構では,早急に代替衛星の打ち上げを準備することとなったが,「次に打ち上げる衛星が宇宙空間で故障すると洒落にならない」「このまま有人飛行を行わないと,このハプニング的な実績だけが永久に残ってしまう」ということから両者の思惑が一致し。「有人宇宙飛行は直接の目的ではないが,故障しがちな気象衛星の代わりに人を宇宙に送り込む,という整理で開発を進めてはどうか」という案が急速に浮上,「日本近辺の安定的な気象情報の把握」を目的とした有人型人工衛星の緊急開発・打ち上げ計画がスタートした。
問題は宇宙飛行士の確保であるが,「気象衛星の代わりである以上,気象予報士が行くのが当然」として,石原良純氏を推す声が高まっている。本人は激しく抵抗しているというが,石原東京都知事は「良純も石原家の一員として,そろそろ歴史に名を残す仕事をやる年齢ではないか」と,打ち上げを容認する考え方を示した。
宇宙船兼人工衛星には「日本が世界に誇る伝統技術の粋を集めつつ,その技能の継承を目指す」という観点から,20名の宮大工を招集,釘を一本も使わない世界初の純木造宇宙船を建造する方針だ。「無機質な宇宙では木の温もりが飛行士の心を癒す」と小泉首相も乗り気だ。飛行強度の問題を懸念する声には,「人生いろいろ,宇宙船もいろいろ」と意に介しない姿勢だ。
石原さんを乗せた木造気象衛星「ひのき1号」はわが国宇宙開発陣の期待を乗せて,早ければ11月にも打ち上げられる。