JR各社,全線全駅のネーミングライツ(命名権)売却開始

この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。

JR東日本など,JR旅客輸送各社は14日,全国のJR全線全駅のネーミングライツ命名権)を売却することを発表した。契約期間は1年で,契約料は駅により20万円〜50億円となっている。JRはこのビジネスで年間5,000億円程度の収益を見込んでいる。
潜在的には10兆円市場と言われる命名権市場で先行していたのは球場の命名権。広告宣伝効果を疑問視する向きも多かったが,インボイスフルキャストなど,命名権を購入した企業の知名度は軒並み大幅に向上,その効果が実証された形となった。こうした中でJRが命名権ビジネスに乗り出したことで,10兆円市場が一気に現実のものになる気配だ。
JR各駅の地元からは,「土地とは何の関係もない駅名になるのは問題だ」などと反対する声も上がっているが,JR側は「新しい駅名をきっかけに,その駅と土地に興味を抱く人も増えるはず。前向きに捉えてほしい」と理解を求めている。
既に成約に至った駅も少なくない。最近,新書でベストセラーを連発して好調の○潮社は,最も価格の高いJR山手線内の新宿−渋谷間の4駅の命名権を総額100億円で購入した。同社では,一押しの新刊名を駅名としてPRに活用する意向だ。第一陣の命名は,新宿駅が「国家○品格」駅,代々木駅が「もしも義経にケータイ○あったなら」駅,原宿駅が「人は見た目○9割」駅,渋谷駅が「超バカ○壁」駅と,それぞれの街に微妙にマッチした意味深な配置となっている。
知名度アップを目的とした購入も目立つ。3月16日に開港する新北九州空港は,JR山手線浜松町駅命名権を12億円で購入,「新北九州空港駅」と命名する。同空港の事業としての成否は,1日17往復の羽田線(JAL5往復,スターフライヤー12往復)の成功にかかっていると言っても過言ではない。このため,首都圏における知名度向上は絶対的な課題となっている。今回,空港への入り口とも言える浜松町駅命名権を購入することで,利用客へのPRを万全にする構えだ。ただ,東京モノレールが「新北九州空港羽田空港間が19分,470円」と宣伝していることについては,「誇大広告の可能性がある」とJA○Oが調査に入っている模様だ。
町興しのための命名権購入も少なくない。埼玉県川越市など,JR川越線沿線の市町村は共同で,同線の全駅の命名権を一括購入した。町興しのために地域ぐるみで駅名を変えた(愛称付与)ケースとしては,地元出身漫画家・水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」にちなんだ鳥取県JR境線の「妖怪」駅名が有名であるが,川越線では全駅の名称を「早口言葉」で統一する方針だという。「日本における早口言葉発祥の地」を名乗る川越市では,「全国から早口言葉ファンに来てもらいたい」と意気込みを語っている。指扇駅の「青巻紙赤巻紙黄巻紙」駅,川越駅の「新春シャンソンショー」駅,などが内定しているが,日進駅の「小型バスガス爆発」駅という名称には,地元バス会社から「イメージを悪化させる」と抗議があったため断念する方向のようだ。JR川越線に乗務する車掌の間では早くも早朝早口言葉特訓が始まっているなど,対応にはぬかりがない。ただ,「早口言葉発祥の地」という川越市の主張は,当の川越市民ですら「初耳」という人が多い。今回の命名により本当に定着するのかどうかは予断を許さない。
広島県暴走行為愛好者連盟が250万円を負担して買取ったのは東広島駅命名権。4月1日から同駅は「夜露死苦(よろしく)」駅として営業を開始する。同連盟の構成員は,暴走行為の傍らで外壁等にスプレーで落書きをするのを慣わしとしてきたが,構成員のほとんどが社会人になる年齢を迎えたことから,「最後の落書き」「青春の証し」(構成員談)として,東広島駅に彼らのラストメッセージを駅名として残すことにしたという。地元では「1年間の我慢」と,見て見ぬふりをする向きが大勢だ。
こうしたJR各社の命名権売却で活性化された市場は今後も広がりを見せる模様だ。目下,最大の注目を集めているのが政党の命名権。メディア等における露出回数は群を抜いて多く,一説によれば自民党命名権相場は「500億円/年」とも言われている。相場が5億円程度と言われている社民党には,値ごろ感からか,広告代理店を通じて様々な団体から命名権購入の打診が届いている模様。新宿歌舞伎町「クラブ愛」と,丹波哲郎氏の「大霊界研究財団」が激しく争っていると見られ,財政難打開を優先するか,政党としてのプライドを優先するか,福島党首は難しい選択を迫られることになりそうだ。