サラリーマン110番⑤日本沈没におびえる社長

<相談内容>
九州の中堅百貨店に勤める25歳のサラリーマンです。
今夏公開されてそこそこヒットした映画「日本沈没」ですが,わが社の社長がこれを観て「日本が沈没したらわが社はどうなるんだ」という問題意識を持ち,「日本沈没に備えるプロジェクトを立ち上げろ」という命令を下しました。
オーナー社長の命令に従わないわけにはいかない雰囲気のなか,なぜか私もプロジェクトの一員に加えられ,プロジェクトリーダーから「沈没を食い止める方法を考えろ」という無茶な命令を受けました。
担当している食器売り場の仕事に手が回らず,お得意先から「最近手を抜いているんじゃないか」とクレームを付けられることが増えましたが,まさか「日本沈没を食い止める方法を考えているもので・・・」とは言えず,日々信頼を失い続けています。
私は,どうすればいいのでしょうか。

<回答>
こんなことをやっていると,先に貴社が間違いなく沈没します。
リスクに備えるのは重要なことですが,備えるべき範囲のリスクと,そうでないリスクを見分けるのは経営者の重要な仕事です。
日本沈没を食い止める方法を発見しました!」と社長に報告しても,おそらくこの社長はすぐ「地球に小惑星が激突したらわが社はどうなるんだ!何か対策を考えろ!」と言い出すのがオチです。
そんなことより,地震が起こっても陳列している食器が割れない売り場作りを進めることがよほど大事です。「地震で食器が落ちない売り場作りにこそ,沈没を阻止するヒントが隠れているんです」とか適当なことを言いながら頑張ってみてください。