金融機関の店舗改築ブーム到来−一斉にピラミッド型に改築(1999年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。また,登場する企業名は実在のものとは関係なく,かつ時代の変遷と共に現存していないケースもありますのでお気をつけください。


全国各地で相次いで金融機関が本店・支店をピラミッド型に建替える動きが出ている。
きっかけとなったのは,日本銀行が最近個人名で発表した論文「金融機関経営におけるピラミッド・パワーの活用について」。筆者は論文の中で,エジプトにおける金融機関の不良債権比率が非常に低いことに着目,その要因を分析した結果として,エジプトの銀行本店がいずれも行員自らによって建設されたピラミッド状建築物であることとの連関性を指摘しており,これが金融関係者の間で話題になっていた。
10年以上前のピラミッド・パワーブームを彷彿とさせる内容に半信半疑の関係者も少なくなかったが,偶然支店を建替える計画のあったA銀行が試しに巣鴨支店を行員自身の手でピラミッド型に建替えたところ,竣工後わずか2ヵ月で支店の不良債権が激減,3ヶ月後には支店の貸付金全額が正常債権になるという驚異的な実績があがった。ピラミッド・パワーブームの時に「ピラミッドの中に果物を入れると腐らなくなる」という実験がよく行われていたが,腐らないのは果物だけではないことが実証されたわけで,一気に金融機関の本店・支店立替えブームに火が点いたもの。
いち早く全面的改築を決断したA銀行では,今年度内に250店舗の改築を終える予定で,来年度中の不良債権ゼロ化を目指す。また,新規貸出については,「ピラミッド型店舗で実行すれば貸出金は一切腐らない」という判断のもと,審査を全く行わないという,従来の常識を覆す融資手法を導入,この結果借入申込みから実行までの期間は最短で25秒という,消費者金融をはるかにしのぐスピード融資体制を確立する。

A銀行をはじめとして,現在東京都内では現在大小合せて750棟あまりのピラミッドが建設されている。特に金融機関の本店が集中する丸の内近辺では巨大なピラミッドが林立する異様な光景が現出,宮内庁は非公式ながら全銀協に対して「皇居に隣接する地区でこのような異国情緒漂う街作りを行うのはいかがなものか」とクレームをつけたが,全銀協サイドでは金融庁の強い後押しがあることから強気で,「基本的に各行の独自の経営判断に基づくものである」と意に介していない。
いずれの現場においても,「行員自らの手で建設する」という条件を満たすべく,ゼネコンが派遣した現場監督に鞭打たれながら石材や角材をよろよろしながら運ぶ銀行員の姿が多数見られている。
なお,こうした動きについてS&P,ムーディーズ等の有力格付機関は「効果を見極める必要がある」としながらも「本当に効果があるならば3〜5ノッチの格上げも有り得る」としている。一方で,エジプトの銀行業界は「特許権の侵害だ」として多額の損害賠償を求めて訴訟を提起する動きを見せており,ピラミッドパワーをめぐる国際金融紛争の行方に世界中の金融機関の注目が集まりそうだ。