サラリーマン110番⑥東京ドームに勤める私


<相談内容>
37歳のサラリーマンです。東京ドームの広報室に勤めて15年になります。
私の担当業務は入社以来一貫して,マスコミや一般企業からの「東京ドームに換算すると何個(何杯)分ですか?」という様々な問い合わせに正確に回答することです。皆さんご存知の「この公園は東京ドーム○個分の広さです」「日本人がこの夏飲んだビールは,東京ドーム○杯分です」などという表現の「○」の部分は私が計算しているのです。
最初は「こんなつまらない仕事なんて・・・」などと考えていましたが,最近では相手の質問を全部聞かなくても「あ,それは東京ドーム38個分です」「それは東京ドームを縦に積み上げて228個ですね」「東京ドーム17個分の重さですね」などとすらすら答えることが出来るようになり,マスコミの間でもちょっとした有名人になりつつあります。
そんな私の噂を聞きつけたのか,つい最近,ナゴヤドームからヘッドハンティングのお誘いがありました。東京ドームには愛着もありますが,新天地で私の「目分量」の実力を試したいという気持ちもあります。どうしたらよいでしょうか。

<回答>
まず,こんな仕事が世の中に存在していたことに感動を禁じ得ません。
ナゴヤドームからのお誘いが「ヘッドハンティング」かどうか,議論の余地はあるところですが,ドームの形状が異なる新天地で実力を試したい,という貴方の気持ちは分からなくもありませんので,好きにされるといいと思います。
ただ,昔から思っているのですが,ビールの消費量を表すのに何でドーム球場に換算する必要があるのでしょうか?日本人の成人男女1人当たりジョッキ何杯,という表現の方がよほど分かりやすいような気がします。こんなことを言って貴方の仕事を潰す気は毛頭ありませんが。