宮崎県議会が大混乱−そのまんま東知事の施政方針演説で

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1月21日,衝撃の当選を果たした宮崎県の東国原知事そのまんま東)が31日,初めて県議会に出席して施政方針演説を行ったが,その内容に県議会が大混乱している。
タレント候補とは思えない本格的な「マニフェスト」を掲げて選挙活動を進めてきた東国原知事だけに,その内容に沿った施政方針演説を想定していた県議会議員の手元に配られた資料のタイトルは,「野獣国家・宮崎−欲しいものは掴み取れ!」。この資料を用いて同知事は,宮崎県の課題と,これに対応するための2つの施策について熱弁を振るった。
同知事によれば,宮崎県の問題は「県民性が温和過ぎる面があり,何事においても多少の不満があっても我慢する」傾向が強いこと。宮崎県を活気あふれる強い県にするためには,「時には野獣のように,欲しいものを何としても獲得しようという強い意思と実行力」が必要だという。そして,知事自らが率先すべく,県民が長年「欲しい」と感じてきた2つのものを獲得してみせる,と大見得を切った。その2つとは,宮崎県が毎年,県民を対象に行ってきたアンケート「宮崎県に欲しいものベスト10」で,25年連続で第1位・第2位をキープしてきた「温泉」「半島」。同知事は「任期中に2つとも獲得してみせる」と表明,議場全体にどよめきが広がった。
第1位の「温泉」は,宮崎県内にも存在するものの,近県の「別府」「湯布院」「黒川」「指宿」など全国ブランドの有名温泉に見劣りするのも事実。高い知名度を誇る温泉が欲しい,というのが長年の県民の願いだった。同知事は演説で,知事自ら温泉発見に取組むことを表明。県内各地を巡って知事の野性の勘で試掘を行い,湯量,泉質で全国ブランドたり得る温泉の開発を目指すという。この取組みについて,翌2月1日の代表質問では「知事自らが試掘作業に携わるのは危険ではないか」という質問が出たが,知事は「私は宮崎県内で最も熱湯の扱いに慣れた人間。安心して任せて欲しい」と自信たっぷりに語った。議長はこの案に対して「仮に発見できた場合は,勝手に『そのまんま温泉』などの安易な命名をせず,県民に十分相談してもらいたい」という異例のコメントを発表している。
一方,第2位の「半島」については,宮崎県は非常に広い面積を有するものの,直線的な海岸が多く,九州8県の中で唯一「半島」が存在しない県であるという事情がある。この事実は長年にわたり宮崎県民の心に有形無形のコンプレックスを与え続け,県民性の形成にも影響しているとされてきた。同知事は「宮崎が変わるにはまず県民の心から変わる必要がある。そのためには宮崎県に半島を!」と,半島誘致に並々ならぬ意欲を見せたもの。
しかし,この演説に即座に敏感に反応したのが隣県の大分と鹿児島。大分は国東半島,鹿児島は薩摩・大隈半島という一流の半島を抱えており,いずれも両県の面積の相当部分を占めているだけに,「宮崎県民が侵略に来るのではないか」「半島を奪われては大分(鹿児島)ではなくなってしまう」と,翌日の両県議会で「半島防衛策について真剣に検討すべき」とする意見が急速に盛り上がった。これを受けて翌2日の宮崎県議会では,同知事がどこの半島の誘致を念頭に置いているのかに質問が集中。同知事は「近県の懸念は十分理解している。私が誘致を検討しているのは,スカンジナビア半島ユカタン半島であり,大分・鹿児島県民は安心してほしい」と表明。この発言に,議場は「欧米か!」「中米か!」などの野次で騒然としたが,「県の国際化を図るには,海外の一流の半島を住民ごと誘致することが望ましい。スカンジナビア半島の住民も,南国である宮崎県の一員になりたいと考えているはず」と一歩も退かない構えを見せた。このニュースは北欧等の現地ではまだ報道されていないが,国際問題に発展するのは間違いない情勢。外務省は「我が国外交に著しい不利益をもたらす発言」として,同知事に発言内容の即時撤回と謝罪を求めていく構えだ。
宮崎県民の選択が正しかったのかどうか,今後の県政の行方に注目が集まっている。