サラリーマン110番(33)エクストリームアイロニングの普及活動を命ぜられた私

<相談内容>
29歳のサラリーマン。
景気回復等を受けて,小規模な我が社も「知名度向上とCSRのために何かのスポーツ振興を支援しよう」という機運が高まり,激しい議論の末,予算等の関係もあって世間的にはあまり知られていない「エクストリームアイロニング」というスポーツを支援していくことになりました。この競技は,簡単に言えば山頂,海中,スキー中,あるいは自転車に乗った状態などでアイロンをかけるというもので,マニアにはたまらないのですが,一般の人には「何が面白いのか」がやや分かりづらいのが難点と言えば難点です。
広報部に勤務する私には,我が社の支援効果を最大化するためにこの「エクストリームアイロニング」という競技の社会的認知度を高めるという使命が与えられました。
どのようにこの目標を達成すればいいでしょうか。

<回答>
エクストリームアイロニングは,現時点ではその知名度は「カーリング」などにはるかに及びませんが,英国発祥のスポーツということもあり,北京五輪を最後に公式競技から外れる野球の後釜として,2012年のロンドン五輪から公式種目入りすることが有力視されているスポーツです。貴社経営陣の判断は極めて的を得ていると考えます。
かなり変わった競技なので,まずは一般の人になるべく触れてもらうことが必要です。そのために私からは,二つのプランを提案します。

  • JR東日本と提携して,「通勤エクストリームアイロニング」という分野を開発する。この競技専用の改札口を設けてもらい,「Suica」機能を搭載したアイロンをメーカーに開発してもらう。このアイロンを持ったサラリーマンが急ぎ足でアイロンを改札口に備えられている綿のシャツにかける。そのしわの伸び具合,アイロンをかける立ち居振る舞い等を瞬時に採点し,一定基準をクリアすればポイントがSuicaにチャージされる。頑張れば通勤代がただになる,というインセンティブを与えることで,エクストリームアイロニングの競技人口が一気に1000万人を超えることも期待できます。
  • 山本"KID"徳郁選手にこの競技への転向を要請する。本日の天皇杯全日本レスリング選手権で敗れてしまい,北京五輪への道に黄信号が灯った山本選手に,この競技でのロンドン五輪出場を材料に,強力に説得すれば可能性はあります。そして,トレーニングを経て今年の年末の格闘技イベントでは,柔道着を着た秋山成勲選手と対戦,秋山選手の柔道着にアイロンをかけてもらいます。昨年末の桜庭選手との対戦で反則・失格という汚点を残した秋山選手の柔道着の襟の部分にアイロンをかけて,まさに「襟を正す」ことができれば,秋山選手のためにもなるという点で,実現可能性は50%くらいはあると考えます。

頑張って,結果を残してください。