ゼロ歳児からの英才教育に人気−通信講座の受講生急増

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宮里藍のゴルフ,浅田真央のスケートなど,幼少時からの教育が実を結んだケースが目立つせいか,英才教育ブームは日々過熱する一方。そうしたなか,通信教育大手のベネッセコーポレーションが始めた通信講座「ゼロ歳から始める○○シリーズ」が異常な人気を集めている。
既に受講申し込みが15万件を突破した一番人気の講座は「ゼロ歳から始めるコンプライアンス」。ベネッセが「世界で初めて,子供の躾とコンプライアンスを融合させた」と胸を張る,イチ押しの講座だ。乳児としてやっていいこと・悪いことはもちろん,幼児になればやっていいこと・悪いことなど,今後の成長とともに目まぐるしく変わる行動規範をゼロ歳児にも分かりやすい絵本で示している。「空腹を訴えるために泣くのが有効なのは2歳まで。空腹で泣く45歳はみっともない」「ニコニコすれば許されるのは5歳まで。30歳を超えるとニコニコしても済まされない人生の修羅場に巡り会いやすくなる」等の具体的事例がすんなりと乳児の頭に刻み込まれるよう,やなせたかしさんらの平易なイラストで説明がされている。
3年間の受講期間中に合計256冊の絵本が送付されてきて,最終回では500種類の絵について,やってよい行動か否かを○×で回答し,90%以上正解で修了認定が受けられ,修了者のうち毎年成績上位200名の幼児に全国有名私立小学校の推薦入学枠が与えられるという点も人気の秘密のようだ。ベネッセでは「ゼロ歳児からこの講座を受講することで,社会の一員としての規範をしっかり身につけることが出来る。全てのゼロ歳児が本講座を受講すれば,小学校以降のいじめや学級崩壊なども消滅するはず」と強い自信を示している。
この講座に勝るとも劣らない人気を集めているのが「ゼロ歳児からの格闘技」。「3歳でK-1リングデビュー」「4歳で曙をKO」「5歳で大晦日格闘技イベント出場」「10歳で豪邸購入」を目指し,首も据わらないゼロ歳児に格闘技の基本技からオリジナル技の開発方法までを実践解説したDVD24巻のシリーズだ。最初に徹底的に教え込まれるのが寝技というのもゼロ歳児ならでは。この講座の効果はすさまじく,愛知県の斉藤一男さん(29)が長男・悠太ちゃん(5ヶ月)をベッドから抱えあげようとしたところ,悠太ちゃんに「腕ひしぎ逆十字」を決められギブアップするなど,全国各地で早くも有力乳児が頭角を現し始めている。同社では「子供の基礎体力が低下しているのを何とかしたいと思いこの講座を企画した。ただ,凶暴なお子さんに育つ可能性もあるので極力コンプライアンス講座と同時受講させ,バランスをとることをお勧めする」としている。
このほかにも,「ゼロ歳から始める詩吟」「ゼロ歳から始めるワイン講座」「ゼロ歳から始める不動産投資」「ゼロ歳から始める遠洋漁業」など,1万件を超える申し込みを集める人気講座が目白押しだ。
一方では,定年退職を迎える団塊の世代を意識した「60歳から始める」シリーズも引き続き好評で,ゼロ歳シリーズとの同名講座のほか,「60歳から始めるパティシエ講座」「60歳から始めるDJ」なども人気を集めているという。
これらの講座の存在が,10年後・20年後・30年後の日本社会にどのような影響を与えることになるのか,注目が必要だ。