サラリーマン110番(37)上司が武士

<相談内容>
22歳の新入社員。
本日,穀物を扱う専門商社に入社したばかりの新人です。家庭の事情もあり,勤務地が首都圏に限定される「キャリアB」という職種で採用され,本日営業第2部に配属になりました。
初出勤して驚いたのが,直属の課長・次長・部長が全員「武士」だったことです。
壁には「営業武士発進!」「武士の商法は世界を制す」「目標未達は切腹!」などという勇ましいスローガンも掲げられています。稟議書には私の先輩に当たる部員や課長の血判が並んでおり,とても21世紀とは思えない雰囲気です。
お昼になり,先輩に連れられて社員食堂に行ったのですが,想像通り「高楊枝」1本を与えられてこれを加えてオフィスに戻る羽目になりました。
夜になり,私の歓迎会をやってくれたのですが,居酒屋に入るなり,「とりあえず熱燗10本!」と,生ビールの出番もありません。2次会のカラオケでは最初から最後まで「酒は飲め飲め」でおなじみの「黒田節」ばかり繰り返し20回も歌っていました。
初日からカルチャーショックの連続で,明日からやっていける自信がありません。どうすればいいでしょうか。


<回答>
名著「葉隠」の言葉を借りるなら「キャリアBの『B』とは武士道の『B』と見つけたり」というところでしょうか。
やや特殊な職場かな,という印象はありますが,社会人生活をスタートしたばかりの貴君に伝えたいのは,「職場というのは多かれ少なかれ,そんなものだ」ということです。
上司が武士で困惑しているようですが,世間には「肉食獣のような上司」「ETのような上司」「葉加瀬太郎のような上司」「森元首相のような同僚」などがウヨウヨしています。武士は一本筋が通っている分,まだマシではないでしょうか。
どんな職場環境からも学べることは必ずあります。まずは貴君も頭を剃ってちょんまげを結ってみてください。これで腹が座るはずです。とりあえず3ヶ月死ぬ気で頑張ってみて,それで駄目なら次の手を考えましょう。

葉隠〈1〉 (中公クラシックス)