小泉内閣に早くも大スキャンダル−「替え玉」発覚で内閣存続に赤信号(2001年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報および今日の状況に合わない情報が含まれていますのでお気をつけください。



支持率80%超という,これ以上ない好スタートを切った小泉政権を早くも一大スキャンダルが襲い,政権維持が絶望的な状況に陥りつつある。
発端は5月1日の国会廊下での記者団との会話。最近疲れのせいか,肌の色つやが悪く,生気も感じられない小泉首相に記者団が「最近お疲れのようですが」と声を掛けたが,「悪いが次の予定があるので」と言葉少なに,歩を速めた。後ろから付いていこうとした共同通信社の記者が,首相の頭頂部から背中にかけて銀色の線状のものが一瞬見えたことに気付き,「首相,背中にジッパーのような線が見えるのですが,何でしょうか」と質問した。首相は「ああ,ファスナーだよ。メーカーはもちろんYKKだけどね」と軽いジョークで応えたが,記者がしつこく「じゃあ,ジッパーを下ろしてみてもいいですか」と食い下がったため「君は失礼な奴だな」と言い捨て,突然全速力で駆け出した。
「これは何かある」と直感した記者達は慌てて首相の後を追い,50mほど先の官邸への連絡通路入口で小泉首相にタックル,押し倒すことに成功した。「首相に何をするんだ」という秘書官らの制止を振り切り,記者達は首相の頭頂部,髪の毛の中に隠されていたジッパーを発見,そのまま一気に下ろした。すると,何と中には汗だくになった全裸の太り気味の男性が入っており,記者達が色めきたって引きずり出すと,先日退陣したばかりの森前首相が中から出てきたというもの。
森前首相は「ふう,暑かった。窮屈なんだよね」とつぶやき,ごまかそうとしたが記者達に睨みつけられ,そのままの格好で官邸内の記者会見場に連行された。


この衝撃的な事件を受け,記者会見場に集まった報道陣は実に750名。記者団に連行された森前首相は会見台に立たされると,経緯の説明を始めた。
前首相によると,小泉首相になりすますことを思い付いたのは今年の2月頃。えひめ丸事件を巡る森バッシングの中,政権維持のための方法を模索していた前首相は,自分に比べて改革派のリーダーとして国民の人気が高い小泉会長(当時)に目を付け,彼になりすまして新首相の座を獲得することを計画。2月下旬に「今後の身の振り方を協議するため」と称し,大量の酒類を手土産に小泉氏を議員宿舎に訪ね,嫌がる小泉氏に大量の酒を飲ませて泥酔状態にさせた。そのうえで小泉氏を浴室内に入れ,外から鍵を掛けるという暴挙に出たもの。
これまで誰にも気付かれなかったほどリアルで出来の良い小泉氏の着ぐるみについては,この3月に大阪のUSJのプレオープニングイベントに招待された際,来日していたハリウッドの技術者に製作を依頼したものだという。また,引継ぎ等で森前首相と小泉氏が同時にマスコミの前に姿を見せる機会があることを想定し,森前首相自身のリアルな可動式人形も製作してもらった。製作を担当した技術者によると,「森前首相の人形は,動きや言葉が単純なので,SONYAIBOをベースにちょっとした加工で対応できた」という。
森前首相はこの日の会見で「さすが本場ハリウッドの技術は違うね」と語り,事態の重大さを認識していないことに記者団から怒りの言葉を次々に投げつけられたが,逆ギレした森前首相は全裸のまま記者団に背中を見せた。そこには小泉氏の着ぐるみと同じようなジッパーがついており,「あまりうるさいこというとこのジッパーを下ろすぞ。何が出てきても知らないからな」と凄み,記者団はあまりの展開に言葉を失った。
結局,機動隊が森前首相を押え込み,ただちに警視庁に連行,取り調べに入った。捜査関係者によると,森前首相は「暑い,暑い」といって取調室内で着ぐるみを脱ぎ始め,中からは何と政界を引退したはずの細川元首相が出てきたが,細川氏の背中にもジッパーが付いていたため,取り調べに当たっていた捜査官はパニック状態に陥っているという。
一方,警視庁は直ちに高輪の議員宿舎407号室に捜査官50名を派遣,宿舎内の浴室から,らくだのシャツと股引(ももひき)(股引は綿100%)姿の小泉首相を無事救出した。救出された本物の小泉首相は,股引姿のまま首相官邸に護送され,捜査官からもらったおにぎりを食べながらそのまま記者会見に臨んだ。
小泉首相はここ2ヵ月余りの政界の激動から全く隔離されており,この日初めて自分が総理大臣になったこと,しかも世論調査の支持率が80%を超えていることを知らされ,ショックのあまり食べかけのおにぎりを床に落とすなど,動揺を隠せない様子。
首相が「どうして俺は首相になったのでしょうか」と経緯を記者団に質問するという,前代未聞の会見となったが,とりあえずの感想を記者団から求められ「こんな格好で記者会見している俺も相当な変人だと思うが,あんな着ぐるみを着た森さんに騙されつづけてきた自民党員や国民も相当変だと思う。きちんと本物を見分ける眼力を養わねば」と発言。首相としてまずやりたいことはと問われると,「まずはちゃんとした服に着替えたい。それから,全ての国会議員が本物かどうか,背中を確認したい」と述べた。
なお,ロシアのプーチン大統領は,「森首相らのアイデアは我が国の伝統玩具,マトリョーシカ人形の特許を侵害したものだ」と非難,10億ドル程度の特許料支払を日本政府に求める考えを明らかにした。