森首相,サンタに扮して都内各所で大暴れ(2000年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報および今日の状況に合わない情報が含まれていますのでお気をつけください。



森首相が24日夜にサンタクロースに扮して都内をプレゼントを配りながら巡回し,各地でハプニングを巻き起こした。


18日朝に開かれた閣議で,最近の森首相の素行に批判が集中,「宴席のはしごは止めて,少しは国民のためになることをしたらどうか」と閣僚らに詰め寄られ,「森首相にも出来る,分かりやすいアピール方法」(有力閣僚)ということで,今回のプランが決まったもの。

「いやだ」とだだをこね,宮沢蔵相になだめられながら,衣装製作を担当する銀座の英國屋に連れて行かれた森首相だったが,いざ真っ赤なサンタクロースの衣装を着せられると一転上機嫌になり,「なかなか似合うな」とすっかり乗り気になった。



森首相は24日夜8時頃にそりに乗って国会議事堂前に姿を現し,集まった記者団に珍しく上機嫌で「メリークリスマス!」と雄叫びをあげた。

そりを引くのはトナカイに扮した加藤派・山崎派造反議員たち

今回トナカイとして森首相を引っ張らせることで汗をかかせて,不信任案採決欠席のけじめを付けさせる」(橋本派幹部)という方針に基づいたもので,加藤紘一山崎拓の両氏もトナカイの着ぐるみ姿で顔を紅潮させながら「日本の正しい未来のため敢えてこの屈辱を受入れる」と,涙目で記者団に決意を語った後,四つんばいで森首相の乗ったそりを所属議員とともに引っ張っていった。



森サンタは,まず霞ヶ関の官庁街を新橋方面に移動。

クリスマス気分を盛り上げるためにと,徹夜で覚えた山下達郎の「クリスマス・イブ」を地声を張り上げて歌いながら移動したが,大詰めを迎えた来年度予算編成や間近に迫った省庁再編準備作業でピリピリしたムードの各省庁から「うるせえぞじじい!」「どっかで宴会でもやってろバカ!」などの罵声が飛ぶ場面もあり,そりに同乗したサンタクロース姿の宮沢蔵相がとりなす一幕もあった。



新橋に到着した森首相は,国民に配るプレゼントを購入するため,ディスカウントショップの「セレクトイン・キムラヤ」に立ち寄った。

少しでもIT普及に役立つプレゼントを,と意気込みすぎたのか,店員に「一番安いクリックを500個くれ」と注文,周囲の買い物客にまで笑われるなど,相変わらずの不勉強ぶりも披露した。



その後首相の乗ったそりは銀座の中央通りをゆっくりと北上,忘年会帰りの酔っ払った通行人たちにプレゼントとして森首相自らこっそりプリントゴッコで印刷したという「国債還付金残高確認証(額面500億円)」を配って回り,額面を見た通行人を大喜びさせた。

しかし,この架空証書を巡る大規模な詐欺事件に頭を悩ませていた宮沢蔵相は「首相が犯人だったとは」と激怒,森首相に向ってそり上で説教を始めた。

最初は「みんなが喜ぶのでつい・・・」と反省顔でしゅんとしていた森首相も,ネチネチと続く宮沢蔵相の説教に「もうお前なんかいらん」と逆ギレ。

体力に勝る森首相は宮沢蔵相の来ていたサンタの衣装をはぎ取り,ふんどし一丁の姿になった蔵相を銀座6丁目の路上に突き落としてそのまま走り去るという暴挙に出た。



その後森首相とトナカイたちは銀座4丁目の交差点を右折して歌舞伎座に向い,上演中の「勧進帳」の舞台上に乱入,團十郎猿之助らに混じって「来年は景気大回復でござる」と大見得を切り,客席からやんやの大喝采を浴びるハプニングもあった。



退場後,歌舞伎座裏で野犬の集団と遭遇し,トナカイ3頭を失うという痛ましい事故もあったが,一行は丸の内の「東京ミレナリオ」会場に到着。森首相に気付いた観衆にもみくちゃにされながらゆっくりと東京駅丸の内口に向った。



このパレードの終点である丸の内口駅前広場には,小泉純一郎会長以下,自民党森派の面々が全身緑色のタイツを着用して首相の到着を待ち受けた。

予定より1時間遅れで到着した森首相はトナカイたちに「いや,どうもご苦労さん」とねぎらいの声をかけると,サンタの衣装を脱ぎ捨て,自らも全身緑色のタイツに着替えた。

小泉会長の「はじめ!」の掛け声とともに所属議員らが組体操を始め,森首相がその頂上まで登って立ち上がると,全員の全身タイツに仕込まれた電飾が一斉に点灯し,東京駅前に高さ5mの「人間クリスマスツリー」が誕生

森派議員はその格好のまま「第九」の合唱を行い,居合わせた通行人の拍手喝采を浴びた。



合唱終了後,夜も更けて小雪が降り始めた東京都内で,全身電飾でピカピカの森派議員らは打ち上げ会場である「Enjoy!天狗 丸の内店」に歩いて向ったが,雪のせいでタイツが濡れ,感電・失神する議員が続出

結局無事打ち上げ会場に到着したのは森首相と小泉会長だけという状態で,2人は記者団を締め出して水入らずの忘年会を楽しんだ。

終了後,森首相は午前4時に定宿の赤坂プリンスホテルに戻り,「満足の笑みを浮かべながら」(首相秘書官)就寝,長い夜を終えた。



自民党では今回のパフォーマンスで支持率が改善することを期待しているが,一方で今回の衣装製作費やプリントゴッコの印刷代,打ち上げ代等は,使途が限定されておらずかつ具体的使途を非公開としている,内閣官房報償費(いわゆる官房機密費)から支出されているものと見られ,野党の批判をどうかわすかも問題となりそうだ。