昨年の新入社員は今 − ルポ・2年目社員の活躍

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

今年もまた,入社研修を終えた新人社員が各地の職場に配属されるシーズンがやってきた。
今日は,配属から1年が経ち,それぞれの職場で早くも存在感を発揮している2年目社員達の活躍を追った。



準大手商社として知られるT社に入社したAさんは,配属された食料・アグリビジネス部の先輩から,その一挙手一投足に熱い視線が寄せられている。
そう,Aさんは毎日,大・中・小3匹のヘビを身体にまとわせた状態で出勤する,同社初の「ヘビ遣い社員」なのだ。
事情について多くを語らないものの,Aさんは幼少時から常に多数のヘビと寝食をともにする生活を送ってきたという,滅多にない人生経験の持ち主だ。
そうした生活のなかで,ヘビたちと心を通わせる方法を見出し,現在ではAさんにとってヘビたちを自らの手足のように活用できるようになっているという。Aさんは「何か特別だと思われるかもしれませんが,皆さんが仕事のサポートでパソコンや電卓を使うのと,基本的には同じですよ」と謙遜するが,そのヘビ遣いの技の凄さは想像を絶する。

Aさんがつぶやく言葉を,キーボードの上で身体をくねらせてそのとおりに入力していくのは,一番小型の「タカチホヘビ」の役割だ。「しゃべるのとほぼ同じ速度で文書が出来上がる」と先輩社員達は舌を巻く。

中型のアオダイショウは,ふだんはAさんのベルト代わりとして,スーツと一体化しているため,誰も気付かない。しかし,外出先で襲い掛かってくる暴漢や,理不尽な要求を繰り返す取引先に出くわすと,瞬時に飛び掛かりAさんをガードしてくれる,守護神のような存在だ。

そして最も大型のインドコブラは,会議や打合せ等でAさんの代理として出席するのが主な役目だ。インドコブラは,言葉は喋らないものの,Aさんの考えと反する意見を述べる出席者がいると,激しく頭を振って威嚇する。そして会議が終わるとAさんの首に巻きつき,具体的な方法は不明ながら,会議の経過や結論などをAさんに正確に伝えている模様だ。
ネズミが大好物のインドコブラだけに,時々間違ってパソコンのマウスを丸飲みしてしまうのが玉に傷だが,Aさんの業務時間を節約してくれる貴重な存在だ。


「ヘビたちは私の身体の一部。これからも一緒に頑張ります」と,Aさんは屈託のない笑顔を見せて今日も仕事に励んでいる。



T社エネルギー部門に配属されたBさんは,その髪型などの風体から,同僚から「T社のサムライ」と呼ばれ,入社2年目にして早くも一目置かれる存在となっている。
江戸時代から伝わる武家の15代目として,今日でも武士としての正装を欠かさず,地元警察に特別に許可を得ての二本差しも,サマになっている。
同社人事部のCさんは,Bさんの採用について「社長が,Bさんの凛としたたたずまいと,筋を通す姿に感激し,周囲の反対を押し切って採用を決めたんです」と自嘲気味に語る。

「武士は食わねど高楊枝」を地で行くBさんは,同僚と行く社員食堂でも決して食事は摂らず,未使用の食堂チケットを同僚に売り歩く姿が目撃されている。
また,武士としての礼儀作法を修得しているBさんが,社内で刀を振り回すことは滅多にない。取引先との懇親会のため訪ねたフレンチレストランでは,「こんな小さなナイフでは埒が明かない」と,グリルされた牛フィレ肉を,日本刀で器用にカットして食べるという芸当を見せ,同席した取引先も顔面蒼白になりながら拍手をしたという。

Bさん最大の危機は,今年2月。大雪の影響で電車が遅れ,大事なアポイントの時間に間に合わなかったときのことだ。約30分遅れ,髪を振り乱した姿で現れたBさんに対して,その場に居合わせた全員が「切腹は結構ですから」と手を合わせ,最悪の事態を免れた。
同社で今後,同様のタイプの社員を採用する予定は「一切ない」(人事部)という。


あなたの職場に配属される新人社員が1年後,どのような姿に成長しているか,それはあなたの教育や指導にかかっている。