東武東上線に「スイス人専用車両」登場−日本初のサービスにスイス人は拍手喝さい

この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。

東武鉄道20日,同社の幹線の一つである東武東上線(池袋−寄居)に「スイス人専用車両」を新設,同日から運用を開始することを発表した。この日から東上線の車両は従来の10両編成が11両編成となったことから,一般乗客に直接の影響はないものと見られるが,突然の導入に乗客の反応は様々だ。
記者会見で同社が説明した導入理由は,「東上線沿線のスイス化促進」。同線沿線には,知名度が今ひとつな東京大仏(最寄り駅=下赤塚駅),本田技研の世界本部所在地として知られる和光市,「小江戸」の愛称と首都圏最大規模のさつまいも産地として知られる川越市,焼きとり日本一の街を標榜する東松山市など,それなりの観光・ビジネススポットが点在している。しかし,東急,小田急,京王,西武など他の鉄道沿線と比較すると「パッとしない」という印象を持たれているのも事実。このため,沿線開発など不動産事業では多大な利益を上げるには至っておらず,沿線のイメージ向上が課題となっていた。
そんななか,いま顧客に求められているのは「豊かで良質な自然と,利便性と,安全性が兼ね備わった街である」と考えた同社は,スイス連邦に注目。その良質な自然環境,永世中立国ならではの高度な防衛・防災・防犯システム等を沿線に導入できれば,一気にイメージが向上するものと判断。スイス風の街並み,自然,システム作りにはやはり本場のスイス人の協力が欠かせないと考えた同社だが,もともと800万人にも満たないスイス連邦の人口のうち,現在日本に滞在しているのはわずか1,400人程度と推測されている。この数少ないスイス人を沿線に引き寄せるためには,並の特典では無理だと判断,今回の思いきった措置に及んだもの。20日から走り始めた「スイス人専用車両」は,11両編成の最後尾。女性専用車両と異なり,始発から終電まで,終日専用車両として運用されている。各駅に停車すると,車掌が降りてきて専用車両に乗ろうとする乗客に対してパスポートチェックを実施,スイス人であることを確認している。車内では,アナウンスがスイスの主要言語であるドイツ語,フランス語,イタリア語,ロマンス語で実施されており,また朝・昼・晩の時間帯にはチーズフォンデュが車内で無料サービスされるなど,多忙なスイス人ビジネスマンにはうれしいサービス満載だ。これ以外にも,東武鉄道ではスイス人を対象として「スイスフラン建通勤定期券の発売」「スイス・エア(航空スイス)とのマイレージ提携」など,様々な優遇策を次々に打出している。ちなみに同社が20日から流し始めたCMは,電車に乗ろうとした日本人サラリーマンが,目の前に停車した「スイス人専用車両」に呆然として「何でスイス人なんだ」とつぶやくもの。○和ハウスのCMに酷似しているうえに,どのようなCM効果があるのか不明ながらも,それなりの話題作りにはなっているようだ。
こうした東武鉄道の努力に,在日スイス人は非常に好意的な反応を示している。同社がスイス人を対象に行ったアンケートでは9割が東上線沿線への移住に「非常に興味がある」と回答,4割は「半年以内に引っ越す」と回答している。唯一のスイス人力士として本年中の関取昇進を狙う佐渡ヶ嶽部屋の琴杯児(ことはいじ・幕下27枚目)も,佐渡ヶ嶽親方の許可を得て東上線ふじみ野駅徒歩5分のワンルームマンションを借り,一人暮らしを始めた。
概ね順調な東武鉄道の事例を受けて,京成電鉄が「コスタリカ人専用車両」の導入を検討しているなど,他社にもアレンジを変えた追随の動きが出始めている。南海電鉄に至っては「沿線の北欧化」実現のために「フィンランド人車両」「ノルウエー人車両」「スウェーデン人車両」「デンマーク人車両」などを連結,結果として日本人男性が乗れる車両はわずか2両になるという事態まで発生している。
日本人でいることが次第に辛くなっていく世の中になりそうだ。