このGWにおすすめの映画・本・音楽

注意:この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではない内容を含んでいます。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。

いよいよGW期間に突入。お休みの方は自宅でゆっくりと,海外あるいはシステム関係でお仕事の方も息抜きに楽しめる,おすすめの映画・本・音楽を紹介する。

  • 映画:「幸福の黄色いまわしと秘密の相撲部屋」

韓(ハン)流映画が大ブームの昨今,もうひとつの「ハン流」映画が産声を上げたことは意外と知られていない。
無敵の横綱朝青龍がメガホンをとった初監督作品「幸福の黄色いまわしと秘密の相撲部屋」がそれだ。ハン流は「汗流」。力士の汗でもあり,チンギス汗でもある,新たな「ハン流」の登場だ。
モンゴルから日本に留学,高知の明徳義塾高校在学中は「映画研究会」の会長まで務めたほどの映画好きとして知られる朝青龍。大相撲の記録を次々と塗り替えた今,次の夢を実現する時期が来たと考えても不思議ではない。そんな彼が手がけた初作品は,「日本映画で最も好き」という作品と,「最近5年間に見た映画でもっとも楽しかった」という作品へのオマージュというか,パクリというか,やや微妙な作品となった。主演は,それぞれの作品で主役を務めた武田鉄矢ダニエル・ラドクリフという,異色の顔合わせとなっている。
金八部屋は,幕下力士1名を筆頭に6名の力士しかいない弱小部屋。金八親方(武田鉄矢)は部屋の存亡をかけて,ヨーロッパに有望な若者のスカウトに旅立つ。ロンドンの入国審査で入国目的を聞かれて「スモウレスラーハンティング」と答えてしまい,係官から厳しい取調べを受けるなどの軽いハプニングを経て,ようやくロンドン市内に。そこで見つけた,路上でファーストフードをむしゃむしゃ食べている体格のよい若者(ダニエル・ラドクリフ)に声をかける。「好きなだけジャパニーズフードを食べさせてやる」という約束にあっさり乗った若者は,そのまま親方とともに日本へ。髷を結い,まわし姿で土俵に上がることを知らされたのは金八部屋に着いてからのことだっかが,今さら後に引けない若者は親方にしごかれながら徐々に成長。来日から2年後には十両昇進を果たし,見事に関取・播歩太(はりぽった)が誕生した。
その後,力も入れずに対戦相手を宙に持ち上げて転ばせて勝つなど,「土俵上の魔法使い」というニックネームがつくほどの活躍をして短期間で躍進,3年後には横綱まで上り詰めた播歩太だったが,稽古中に負った怪我が原因となりやむなく引退。当然に金八親方の跡を継ぐものと思われていたが,「自分の可能性を試したい」として金八親方の懇願を聞き入れず,格闘技界へと足を踏み入れた。しかし,格闘技界では単に相手が転んでもそれだけでは勝ちにならないことや,現役時代の怪我の後遺症で思ったような戦績を上げられず,3年が経過した。
すっかり三流レスラーに成り下がった播歩太は,ようやく自分が間違っていたことに気付く。そして金八親方に手紙を書いた。「もし,落ちぶれた私を再び金八部屋で受入れてくれるならば,部屋の2階の物干し台に私が現役時代に使っていた黄色のまわしを掛けておいてくれませんか」と。そして1週間後,金八部屋への道を重い足取りで進む播歩太が見たのは,いつもと変わらぬ金八部屋の光景。黄色いまわしは掛かっておらず,失意の播歩太は帰路についた。
荒川の土手をとぼとぼと歩いていると,正面から数十名の集団が大声を上げながら近づいてくる。今ではほとんどいなくなったファンの歓声を思い出しながら目を凝らしてみると,先頭を走るのはすっかり長髪になった金八親方。そして後に続くのは,黄色いまわしを締めた数十名の金八部屋の力士たち。あっという間に黄色いまわしの力士たちに取り囲まれる中,涙を流しながら抱き合う金八親方と播歩太の姿が感動的だ。ラストシーンの力士群には特別出演として,田原俊彦近藤真彦野村義男の「たのきんトリオ」や杉田かおるなども混じっているところも見どころといえば見どころだ。
役作りのために70kgも体重を増やしたというラドクリフさんは,28日の来日記者会見で,二重あごとでっぷりとしたお腹を揺らしながら「ハリーポッターのイメージからどうやって脱却するかが私の重要な問題だった。今回の映画で従来のイメージが吹き飛んで,今後の俳優人生に幅が出来た。まさにごっつぁんです(笑)」と,この映画出演で覚えた流暢な日本語で語った。
朝青龍が相撲で稼いだ50億円を投じた大作となったが,全国公開が決まらなかったこともあり,この29日に東映VシネマからDVDで発売(4,800円)されるので,お時間のある方はご覧頂きたい。

  • 本:「社会人1年生」5月号(小学館

小学館の学年別月刊誌「小学1年生」シリーズは,「中学」「高校」シリーズを経て,少子高齢化の影響を受けて「大学1年生」シリーズの発行にまで手を広げているが,3年前から「社会人」シリーズの発行を開始していることは意外と知られていない。現在では月刊で「社会人1年生」から「社会人40年生」まで40種類の雑誌が刊行されている。それぞれ,その世代特有の関心事をテーマにした特集記事(4月号では,「社会人8年生」の第一特集が「苦労知らずで就職した今年の新人を斬る!」,「社会人25年生」の第一特集が「加齢臭と闘う!」,「社会人40年生」の第一特集が「ぎりぎりセーフ!やったぜ夢の安定年金生活」)が好評だ。
そんな中,「社会人1年生」の5月号の第一特集は「GW後に一回り大きくなれ!」。社会人になって1ヶ月,GWが終わった後に先輩たちに一回り大きくなった自分を見せつけてやれ!と焚き付ける記事が満載だ。GW明け後,A4サイズの名刺を得意気に出したり,床にまで届きそうなネクタイをしていたりする新人を見かけたら,それは彼らが読者である証拠。そっと「ちょっと違うと思うよ」と注意してあげたい。

人気DJであるピストン西沢氏が手がけ,15万枚のセールスを記録した「きみまろトランス」に続く第2弾作品。綾小路きみまろのライブ漫談をDJリミックスして話題を呼んだ前作に続き,ご存知騒音おばさんの日常の発声をリミックスした強烈な作品に仕上がっている。15分間に680回も発せられる「引越し!」の声を浴びると,頭は朦朧とするばかりだ。そんな騒音のなかでビートを刻む布団たたきの「パン!パン!」という乾いた音が,妙に耳に心地よく感じられるのは気のせいだろうか。