騒音おばさん・総理大臣への道(後編)

注意:以下の内容は,将来起こるかもしれない事件をシミュレーションしたもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。

(中編からつづく)

  • 新人議員として本会議場では最前列の席を割り当てられ,早速野次を開始。本領発揮とも言える強烈かつ大音量の野次は他の新人議員40名分に匹敵するほど。
  • あまりの野次のひどさに野党議員らがおばさんの席に詰め寄りもみ合いから乱闘騒ぎへ。乱闘の最中,偶然掴んだS議員のかつらがスッポリと取れてしまい,図らずもかねて噂されてきた「ヅラ疑惑」を解明。後にA元建築士,プロボクサーK氏のヅラ事件と合わせて「平成の3大ヅラ疑獄」と呼ばれるようになる。
  • 領土問題,ヅラ疑惑解明という,いずれも国民の関心の高い2大テーマに関わることになり,国民の支持はさらに上昇。小泉元首相までもが「このようなことで国民の人気を得るのはどうかと思う」と苦言を呈したが,おばさん本人は気にせず,その後も4名のヅラ剥奪に成功。
  • こうした実績が評価されたのか,毎日新聞社による緊急世論調査で,「次の首相にふさわしい人」で6位,全体の4%の支持を得るなど,首相候補としても急速に頭角をあらわしてきた。
  • 同じ調査で5位,全体の6%の支持を得ていた田中真紀子議員は「このままでは自分の地位が危ない」と感じ,おばさん批判を猛然と開始。「どこの馬の骨か分からない」「うるさいだけで中身がない」「こんな人に日本は任せられない」等々,機会あるたびに猛烈に批判。「批判のかなりの部分が自分に跳ね返ってくる可能性がある」という側近の指摘も聞かずに批判はエスカレート。
  • その間,おばさんはそんな批判を無視して,北方領土問題解決のために根室入り。自らのライフワークを守ろうとする鈴木宗男議員の執拗な妨害をものともせず,例によってモーターボートで北方領土に向かった。その最中,モーターボート直下を震源とする巨大地震が発生,幸い津波による被害は軽微であったが,これまで発見されていなかった海底火山の活動が急速に活性化,一晩で山頂が海面下に顔を出した。
  • おばさんが乗ったモーターボートは海底火山に押し上げられるようにして新たな陸地に乗り上げ,早速おばさんは「ここは日本の領土である」と,ナホトカにまでとどろきわたるような大声で宣言。その後6日間にわたり海底火山の隆起活動がつづき,おばさんが上陸した島は,北海道本土から歯舞・色丹島経由国後・択捉島まで陸続きとなり,おばさんは大声を上げながら走って択捉島に到達。
  • ロシア側の警備兵が制止しようとするが,おばさんの大声で鼓膜を破られて失神。その後のおばさんの強烈なネゴにより,北方4島の日本返還が決定した。
  • 北海道民歓喜の声に迎えられたおばさんはそのまま東京に戻り,田中真紀子議員を名指しで「あんたはうるさいだけで何も実績はないじゃないか」と強烈に批判,有効な反論が出来なかった真紀子議員はこれを契機に急速に影響力を失っていく。(第2次おばさん抗争)
  • 「運がいいだけだ」という野党の批判にも,「運も実力のうち。運のない政治家に日本は動かせない」と余裕の反論。
  • 世論調査での圧倒的な支持を背景として2009年,おばさんはついに総理大臣の座へ。
  • 総理大臣として迎えた初の国会で,どさくさにまぎれておばさん自身が作成,提出した法案も十分な議論もないまま成立。これにより,おばさん総理の気に喰わない国民を強制的に国外に「引越し」させることが可能となるなど,将来の日本について若干の不安を感じさせながらも,おばさんの首相在任はまだまだ続く。

(完)