都営地下鉄大江戸線の路線表示図にミス−利用者の苦情殺到(2000年)

注:このコーナーは,1998〜2004年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。


12月1日に全線開業した都営地下鉄大江戸線で,公表された路線図に誤りがあることが判明し,運賃表の誤りに続く公共交通機関のミスに利用者の苦情が殺到している。

これは,この日開業予定であった大江戸線「勝どき」駅徒歩3分のマンション「ライオンズプラザ勝どきⅢ」に住む会社員の若松寛夫さん(41)からの苦情で発覚したもの。若松さんは大江戸線開通により,六本木にある職場への通勤が便利になることから,1年前に現在のマンションを購入,勝どき駅の完成を楽しみにしていた。
1日,全線開業後の始発電車に乗って会社に出勤しようと,勝どき駅の入り口を探したが,どこにも見当たらないことから都営地下鉄に問い合わせたところ,「勝どき」駅そのものが実在しない駅であることが判明したもの。その後,「両国」「清澄白河」「赤羽橋」「牛込神楽坂」等,他の駅を探す利用者からの問い合わせも殺到,結局地下鉄駅構内等に貼り出されている大江戸線の路線図が全面的に間違っており,これらの駅が全て実在しないことが判明した。

この路線図のデザイン作成を担当した(株)ちかてつ広告によると,現在公表されている路線図は,担当者が無断で自分の住居や親戚,友人や行きつけの店のある場所に架空の駅を置き,これらをつないで作成された全くのデタラメであったことが内部調査により判明,担当者を懲戒解雇するとともに折原忠明社長が引責辞任する意向を明らかにした。東京都も「まさか嘘の路線図を納入されるとは思わず,チェックをしなかった。大変申し訳ない」と平謝り。

この日開業した「正しい」大江戸線は,新宿から代々木,国立競技場を経て東京国際マラソンのコースに沿って大田区平和島まで走り,その後東京湾の海底駅(4ヵ所)を経て千葉県幕張,船橋,成田空港,茨城県取手,下館,栃木県宇都宮を回り,足利,埼玉県熊谷,川越,秩父を経て東京都昭島から中央線に沿って新宿に戻る,一周186駅9時間の超大型路線。

石原慎太郎知事はこの日の記者会見で,「私も今日まで公表されている路線図が正しいものと思っていた。嘘の路線図を描く奴もひどいが,都民の税金を使って関東一円を回る地下鉄を作る奴はもっとひどい。いったい何を考えているのか」と激怒した。

この日の大江戸線の乗客数は,正しい路線が全く知られていなかったこともあり,全線でわずか17名という寂しいものだった。今後,東京都では正しい大江戸線に関する情報を流すとともに,利用率アップに向けた具体策の策定を迫られることになりそうだ。