ツボ発見ブーム到来−画期的なツボの発見相次ぐ,悪用のケースも(2001年)


注:このコーナーは,1998〜2004年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。


最近のリラクゼーションブームで,指圧を学ぶ人が急増しているが,その影響でこれまで知られていなかった新たなツボが続々と発見されている。東洋医学に新たな飛躍期が訪れたという評価がある一方,その様々な弊害が社会的な問題となりつつある。
渋谷区の近藤雄太さん(23)は渋谷界隈の指圧関係者の間では知らぬ者のいない「指圧界のカリスマ」。フリーターだった近藤さんが指圧を学び始めたのはわずか2年前だが,天賦の才能が花開き,次々と新たなツボを発見,一躍スーパースター的存在となった。
近藤さんの数々の新ツボの中でも評価が高いのは,上腹部にある「日月」と「大巨」の間にある「カンツオーネ」というツボ。左小指で2分程度刺激を与え続けると,3時間以内にイタリア人になるという想像を絶するツボだ。近藤さんがこの発見をインターネットで公表して以来,イタリア人になる日本人が急増しており,文部科学省の調べでは少なくとも300万人程度がイタリア人になったものと推測されている。異様に陽気になった彼らの影響で各地の繁華街は活気を取り戻しつつあるとの報告もあり,政府・日銀では「経済に与える心理的影響等について慎重に見極めたい」としている。「日本におけるイタリア年」にあたる今年にふさわしい現象であるとして,イタリア年に協賛している日本経済新聞社はこの現象を支持する社説を27日付で掲載した。
一方,こうしたツボを悪用するケースも後を絶たない。26日午前8時頃,20代前半と見られる若者が山手線内回り電車の満員の車内で乗客の「カンツオーネ」を次々に押し,車内をイタリア人だらけにするという事件が発生,大塚署では愉快犯の仕業と見て犯人の目撃情報等を求めている。
この他にも20秒程度押すだけで身長が3m伸びるツボ「ジャイアン」などが発見されているが,実際には存在しないツボの情報を高値で売り付ける詐欺商法も横行しており,目黒署では「押すだけで一戸建て住宅が手に入る」というツボの情報で目黒区の会社員(46)から400万円を騙し取った無職・斎藤一成容疑者(55)を詐欺容疑で逮捕した。
過熱気味の健康ブームの中,正しい情報を見る目が求められているようだ。