森首相と比・エストラダ大統領が同一人物と判明−日比両国で政局大混乱へ(2000年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。また,登場する企業名・団体名・個人名は実在のものとは関係なく,かつ時代の変遷と共に変化・消滅しているケースもありますのでお気をつけください。



30日,森喜朗首相とフィリピンのエストラダ大統領が同一人物であることが判明,両国政府は対応に追われている。
この事実は,29日深夜の新潮社「Focus」記者の取材で発覚したもの。中川官房長官の首を獲った「Focus」は,次のターゲットとして24時間体制で森首相の動静を張っていたが,29日夜10時ごろ,総理官邸から森首相が公用車に乗り込むところを目撃した。記者が公用車を追跡したところ,森首相の私邸に入ったが,車からはエストラダ大統領らしき人物が1名だけ降りてきた。同大統領の来日スケジュールは組まれていなかったため不審に思った記者が突撃取材したところ,大統領は急ぎ足で私邸の庭に駐機されていたジェットヘリに乗り込もうとしていた。コメントを求める記者が大統領に詰め寄りもみ合いになったが,その際に大統領のひげが落ち,記者の手のひらに大統領の顔に塗られていたドーランがべったりと付着し,頭からはかつらが外れ,森首相が変装していることが発覚したもの。
記者がヘリの操縦士に目的地を確認したところ,首相は関西国際空港経由でマニラに向おうとしていたことが判明し,その時刻にフィリピン国内でエストラダ大統領の所在が確認できないことから同記者が首相を問い詰めたところ,エストラダ大統領本人でもあることを自白したもの。新潮社はこの現場写真と録音テープをもとに直ちに記者会見してこの事実を発表した。
午前1時には森首相も自ら釈明会見を開き,このような事態に至った経緯を説明した。
首相によると,首相は大学時代の友人がフィリピンで会社を経営していることから,20年以上前から休暇でマニラをしばしば訪れていたが,ある時レストランで著名な映画監督と知り合った。同監督は体格・風格のあふれる森首相を見て「これはいける」と直感,映画への出演を打診した。最初は断り続けていた首相も,監督の熱意に打たれて出演を決意,88年に「マニラに眠れ」で銀幕デビューを果たした。国民感情を考慮してフィリピン人の芸名を持ち,役作りのためメイクも行うなど次第に森首相の俳優業への入れ込みはエスカレート,これと共にフィリピン国内での人気も急上昇した。その結果,98年にはその人気に着目した市民団体から大統領候補の推薦を受けることになった。その頃日本の政界でほぼ総理大臣への可能性を閉ざされていた森首相は「渡りに船」とばかりにこの推薦を受け大統領選に出馬し,見事に当選を果たした。ところが森首相本来の個性は隠しおおせず,度重なる失言や暴言,違法とばく疑惑や飲酒暴行,下着泥棒疑惑まで出るに至り,国民の間での人気は急低下してきた。
そんな折,小渕前首相の突然の辞任・急逝で,思いもかけない日本の首相の座が回ってきたもの。さすがに悩んだ森首相は密かに「実は自分はフィリピン大統領である」と当時の野中幹事長代理に打ち明けたが「何を馬鹿なことを言っているんだ」と取り合ってもらえず,2国の最高権力者の座に就くこととなった。エストラダ大統領としての癖は日本でも抜けることはなく,数知れない失言・暴言はまさにエストラダ大統領そのもの。何となく似ていると言えなくもないその風貌もあり,一部では冗談として「森首相とエストラダ大統領は実は兄弟だ」というチェーンメールが広がっていたが,事実はこれを上回る奇怪な結末を迎えた。
森首相・エストラダ大統領に対しては,もともと両国でそれぞれ辞任を求める動きが活発化していたが,森首相はこの日の会見で「大変申し訳なく思っている。この際責任をとってフィリピン大統領を辞職したい」と発表した。森首相としてはこの辞職により,みそぎを済ませたいところだが,収まらないのは野党各党。「中川官房長官任命責任や第三国発言の責任をとることとフィリピン大統領兼職問題は全く別の話」として引き続き首相としても辞任を求めていく構えだ。
一方で驚きを隠せないのはフィリピン国民。30日の朝刊でこの事実を知った国民は「辞職して良かった」「日本は賠償金を支払うべきだ」と,辞職を喜ぶと共に日本の責任を追及する方向に傾きつつある。
とばっちりを受けたのは野中幹事長。「知っていたのになぜ黙っていたのか」と党内部や公明党からも批判を浴びる立場に立たされた幹事長は,記者団の質問に対し「そんな告白信じるわけないだろう!」と声を荒げた。
なお,30日午前には扇千景建設相が悲痛な面持ちで会見し,「実は自分も,アキノ元大統領と同一人物である」という発表を行っており,日比両国では現在確認作業に追われている。
こうした動きは米国にも伝わり,民主党のゴア大統領候補が「共和党のブッシュ候補は前大統領と同一人物ではないか」という攻撃を始め,大詰めを迎えた大統領選の結果を左右しそうだ。