今夏のクールビズ終了−来夏の動向は不透明?


注意:この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。


多くの企業で「クールビズ最終日」となった9月29日。
都内のオフィスでは,SHINJOの引退セレモニーに影響されたのか,退社時に無言で半袖のワイシャツを脱いで机の上に畳んで置き,「ありがとうクールビズ」と書かれたTシャツ姿で帰宅するサラリーマンの姿も目立った。また,多くの企業では10月2日から社内で「未だクールビズのままの社員」の一斉摘発・処分を行い,「クールビズ気分」の一掃に乗り出す模様だ。そんなクールビズの来夏の対応については,意外にも積極派と消極派に二分されている。

来夏からのノーネクタイを禁止する方針を打ち出したのはA生命。本年6月からクールビズ導入,ノーネクタイを認めたところ,7月頃から社内で粗野な言動・行動を取る社員が目立ち始めたという。同社の系列シンクタンクに調査を依頼した結果,ノーネクタイが,サラリーマンをビジネス社会のルール・常識から解き放ち,ついでに理性からも解き放って野性を目覚めさせたのではないか,とする仮説が呈示された。
同社では,ノーネクタイがもたらす自由・柔軟な発想は評価しながらも,仕事上の対立で社員が部下や上司から物理的に噛み付かれる被害が増加するなど,マイナス面の増加を問題視。同社内では,ノーネクタイ社員の強硬な要求に押し切られる形で社員食堂が提供を始めた「ユッケ」「馬刺し」などの生肉メニューが人気となり,これを手づかみで荒々しく食べる社員の姿が目立っているほか,体毛が猛烈な勢いで伸び,一見マントヒヒと見分けがつかない社員も増えている。このままでは「社内が『野生の王国』になってしまう」という危機感から,世間の流れとは逆行するものの,禁止を決断したという。
ただ,問題解決への道は遠い。既に野性化が相当進行した社員にネクタイを付けるよう指導するのは「絶望的」(同社幹部)と見られており,これらの社員を今後どう処遇するかという難しい問題に直面しそうだ。

一方,「クールビズは省エネ等の面でも大成功だった」として,来夏はさらに本格的なクールビズを導入する方針なのが,B不動産。同社は温室効果ガスの6%削減を宣言した「チームマイナス6%」の一員であるが,来年は独自に「チームマイナス30%」を立上げ,「地球のためになるなら何でもマイナス30%」を合言葉に,さらに大胆に対応を進めていく予定,としている。
現段階で明らかになっている施策の一つが,「超クールビズ」。今夏比で男性社員の衣料を30%削減することを目標に,ズボン・スラックスの丈を30%カットし,半袖ワイシャツはタンクトップに変更する,としている。20代社員はともかく,50代社員にまでタンクトップは厳しいのでは,という声が根強いことから,同社では「来夏までに,ビジネスシーンにふさわしい『クールビズタンクトップ』を開発する」として,既にアパレル各社との打合せに入っているという。「着こなしによっては社内に山下清があふれかえることになってしまう」と危惧する声をよそに,計画は着々と進行している模様だ。
同社では,「わが社だけではマイナス30%の達成は困難」として,他の企業にも同調を求めている。JR東海が同社から提案されたのは,「新幹線車両の30%カット」。現在16両編成ののぞみ号を11両編成に削減,輸送力を確保するために普通車で2−3の横5列配置となっている座席を3−4の7列配置に変更してはどうか,というもの。JR東海では「座席幅が驚異的に狭くなり,誰も新幹線に乗らなくなる」と消極的だが,旭化成からは「座席を狭くすると,乗客は『ダイエットしなきゃ』と考え,食物摂取量も抑えられ,食糧生産のために費消されるエネルギー削減にも繋がる。ぜひ協力して欲しい」と一歩も引く気配を見せないという。

どちらの派閥が主流になるかで,来夏の過ごし方は大きく変わりそうだ。