丸の内に激震−ビックカメラ進出でブランドショップが次々撤退へ(2000年)

注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。また,登場する企業名・団体名・個人名は実在のものとは関係なく,かつ時代の変遷と共に変化・消滅しているケースもありますのでお気をつけください。


15日に旧そごう東京店跡にビックカメラが出店することが内定したことを受け,昨年有楽町に進出したばかりの有名ブランド「PRADA」丸の内店が早くも11月末に撤退することを決めた。
PRADA」はいわゆる「丸の内ブランドストリート」の最南端に位置する立地であるが,旧そごう東京店とは目と鼻の先という位置関係。「ブランドにとって店舗の雰囲気は極めて重要。こんな至近距離で『ここが安さのビックカメラー!』『3割4割は当たり前!』などとがなりたてられてはたまらない」(同店関係者)ということで,営業の継続を断念したもの。今回の「PRADA」の決断は他のブランドショップにも衝撃を与えており,既にエルメスバカラ,ジャンフランコ・フェレ,トラサルディ等が撤退の意向を明らかにしている。
これらの動きで最も困惑しているのが「丸の内の大家さん」である三菱地所。オフィス街としての地位低下等に対抗する起死回生策「丸の内ブランドストリート」がせっかく成功しつつあった矢先の出来事に,「そごう破綻でこんな被害を受けるなんて・・・」と,とんだとばっちりに意気消沈している。担当者は後継テナント探しに東奔西走したが,今回のような出来事があった後ではさすがにブランド系のテナントは望むべくもない。一般の商業系テナントにとってはやはり丸の内の賃料は高いハードルになっており,結局は三菱グループ企業が進出することで決着する見通し。
現在のところ有力視されているのは,三菱化学三菱ガス化学等,いずれも本社を丸の内に置くグループ企業で,「今後のスピード感を持った経営のためには経営と現場の距離を縮めることが重要」という判断のもと,三菱化学については鹿島工場を,また三菱ガス化学については四日市工場の一部であるメタノールプラントをそれぞれ丸の内中通りに移転させる計画を検討中であるとしている。
三菱地所では,同様のニーズを持つ企業は少なくないと見ており,用途変更等都市計画上の問題をクリアできれば,従来の「丸の内ブランドストリート計画」を若干方向修正し,「丸の内プラントストリート計画」として「重厚長大産業のメッカ」をイメージさせる新たな街作りを行うことも視野に入れた検討を始めている。
なお,こうした動きを受けて,本年も丸の内で開催される予定の「東京ミレナリオ」は,年末までに複数の工場の進出が決定した場合,新たな街のイメージに合わせて,設置するイルミネーションのモチーフを「工場の入出場ゲート」に変更する予定だ。約300mの通り沿いに並ぶアーチ状のゲートに赤,黄,緑の回転灯が散りばめられ,「安全第一」の看板を鮮やかに照らし出すという,一味違った「ミレナリオ」が実現する可能性もあり,昨年以上の人出が見込めそうだ。