「ハウスマヌカン」が世界遺産に−知床半島で生息確認

注意:この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。


バブル期を代表する職業の一つとされ,東京都内では1993年に絶滅したとされている「ハウスマヌカン(衣料・服飾店販売員)」が,世界遺産に登録された知床半島に生息していることが10日,確認された。

これは,先般発足した安倍内閣で沖縄・北方担当相に就任した高市早苗大臣による現地視察で発見されたもの。「まずは担当する問題の現場を知らなければ」ということで,ヘリコプターによる上空からの視察を行った際,知床半島の山林の中を駆け抜ける人間らしき姿を複数目撃したことから,地上での調査を行った結果,40歳代と見られる日本人女性62名が,エゾジカ・キタキツネなどの野生動物と共に生息していることが判明した。大臣自ら,この女性らを訪ねてここで生活するようになった経緯等を確認した結果,彼女らが日本最後の「ハウスマヌカン」であることが分かったもの。
女性らの代表が大臣に語ったところによれば,62名の出身地は様々であるが,共通するのは80年代前半に地方から上京し,都内で「ハウスマヌカン」として勤務していたこと。
当時,「ハウスマヌカン」は憧れの職業とされ,厳しい販売ノルマや決して高いとはいえない給料等にもかかわらず就職希望者が押し寄せていた。しかし,バブル崩壊の直撃を受けて彼女らの職場は倒産・閉店等で激減,1993年には「日経TRENDY」誌が「都内23区ではハウスマヌカンは絶滅した」というレポートを発表している。相前後して,都内のハウスマヌカンらは職場を求め地方のブティック等に移籍していったが,バブル崩壊が地方にも波及する中でこれらの店も次々に潰れ,大半のハウスマヌカンは転職していった。そんな中,ハウスマヌカンという職業にこだわり,新たな職場を求めて北上を続けていったのが62名の女性達。1999年頃には根室市内の洋品店ハウスマヌカンとして勤務していたが,販売不振から全員解雇を申し渡され,次の職場を求めてさ迷い歩いているうちに,知床半島に迷い込んだという。そんな知床で遭遇したのがエゾジカの大群。エゾジカとハウスマヌカンという,「未知との遭遇」に両者の緊張は高まったが,ちょうど体毛が生え変わる時期で,やや見苦しい姿になっていたエゾジカ達を不憫に思ったハウスマヌカン達が,持ち前のセンスを生かして毛並みを整えたり,落葉等を使って作ったジャケットを着せてあげたりといった行動に出た。エゾジカはこれにいたく感激し,自分達のねぐらに彼女らを案内し,木の実など人間が食べられそうなものも用意し,歓待したという。その後,キタキツネのファッションコーディネートなども担当するようになり,知床の自然での奇妙な共生が始まり,現在に至っているという。

世界遺産は,UNESCOにより運営管理されている制度であるが,事務局によれば,「知床は現地に生息する動植物全てを含めて世界遺産に登録されている」ということであるため,半島内に生息するハウスマヌカン世界遺産の一部を構成することになるという。
高市大臣は面談終了後,「世界遺産としての誇りをもって生きてください」とやや意味不明の挨拶をした後,彼女らの好物とされる「ほっかほっか亭」のノリ弁当・シャケ弁当を差し入れ,その足で帰京した。

この件を安倍首相に報告した高市大臣は,「総理からは彼女達の再チャレンジ策を検討してくれという指示を受けました」と誇らしげに記者に語ったが,今後どのような「再チャレンジ」をさせることになるのか,注目される。