JRA,重賞レースの出走資格を大幅緩和−人間も出走可能に(2000年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。また,登場する企業名・団体名・個人名は実在のものとは関係なく,かつ時代の変遷と共に変化・消滅しているケースもありますのでお気をつけください。


日本中央競馬会JRA)は,最近伸び悩んでいる競馬人気回復のために,GⅠ等の重賞レースの出走資格を大幅に緩和,競馬ファン層の拡大を図る方針を打出し,早速今週末に東京競馬場で開催される天皇賞(秋)(GⅠ,2000m)から適用される。
JRAではクラシックレースの外国産馬への開放等,出走制限を徐々に緩和してきたが,「こうした緩和では生ぬるい」という高橋政行理事長の一喝で今回の大幅緩和が実現したもので,今回の緩和により,重賞レースの出走資格は事実上廃止され,あらゆる動植物・無機物の出走が可能となった。
今回の天皇賞(秋)出走馬中,最大の目玉は天皇陛下御自身。かねてから「天皇賞という名前である以上,ぜひ一度はみずから出てみたい」という希望を宮内庁に伝えられていたが,今回の緩和により出走が可能となったため真っ先に登録したもの。20日まで那須御用邸で静養されていた天皇陛下は休養十分で馬体もきっちり仕上がっている。21日に那須から美浦トレーニングセンター御料車で搬送された天皇陛下はお疲れも見せず,早速動物好きの秋篠宮殿下を騎手としてウッドチップコースを軽快に駆け抜けた。23日の調教では上がりの3ハロンで39秒6という,人間離れしたスピードを見せ付けた。「まだまだ伸びますよ」(秋篠宮殿下)と強気の騎手や調教陣に支えられ,人間として初のGⅠ制覇を目指す。人気の方も26日夕方の時点で日刊スポーツ調べでは4番人気と,人間の出走馬中最高の人気を集めている模様。
金メダルの勢いをかって出走するのがシドニー金メダリストの高橋尚子選手。牝馬であることと距離適性にやや疑問を呈する向きも多いが,小出騎手との相性は出走馬中最高という専らの評価。「小出マジックで意外な短距離適性を見せるかも」と,現在のところ8番人気が予想されている。
競輪界からは神山雄一郎選手が参戦する。シドニーオリンピックケイリンでは無念な結果に終わった神山選手としてはぜひ優勝して名誉を挽回したいところ。スピード面でも馬に負けないものを持っているが,自転車と芝の相性については疑問符がつくところ。良馬場であれば比較的足への負担は軽いものと思われ,天候次第では一発の可能性もある。現在のところ5番人気が予想されている。
意外なところでは元巨人軍の杉山捕手と西武ライオンズの松坂投手も出走する。杉山捕手は今後の生活のことを考えるとぜひ優勝賞金を獲得したいところ。また松坂投手については,「優勝すれば謹慎を解除する」との堤オーナーの確約を得ているため,「野球界に復帰するためGⅠレースに出走する」という複雑な行動をとることとなった。いずれも調教状態は最悪であり,それぞれ13,16番人気にとどまる模様。
台風の目になりそうなのが「あずさ2号」。既にJRのダイヤ改正で廃止された特急電車であるが,かつての名声を取り戻すべく狩人兄弟というダブル騎手を乗せ,東京競馬場で10年ぶりに復活することとなった。秋のターフを駆け抜ける「あずさ2号」の最高スピードは時速130kmと出走各馬中ダントツ。ただ,8両編成という長い馬体だけに,ゲート入りとコーナーワークが決め手になりそうだ。また人身事故に弱い中央線出身だけに,他馬から騎手が転落すると急停車するのは間違いなく,馬群のもみ合いには弱そう。大逃げを打つレース展開が予想される。現在のところ2番人気が予想されている。

現在のところ一番人気と目されているのは現役最強馬の呼び声も高いテイエムオペラオー。ここまで重賞レース5連勝と全くスキがない状態。現役最強馬としては人間や電車に負けるわけにはいかないところ。ただ,秋の天皇賞はここまで一番人気が12連敗中。このジンクスにどう立ち向かうかも見ものだ。

10月29日,競馬の歴史を変えそうな天皇賞は15時30分の発走予定だ。