サラリーマン110番⑩イベリコ豚を部下に持つ私

<相談内容>
45歳のサラリーマン。
業務繁忙のため担当者を増やすよう人事部に要請したところ,1ヶ月前に私の課に1匹の豚が配属されました。人事部からは「ただの豚じゃない。最高のブランド,イベリコ豚だから,大事に扱うように」と説明されました。猫の手も豚の手も同じだと割り切って試しに仕事させてみたところ,意外なくらいに気が利く仕事ぶりを見せてくれました。
「ポーク君」と名づけた彼に任せた初仕事が見事成就したので,慰労会ということで,美味しいドングリ料理を出すと評判のイタリアンレストランに課員一同で繰り出しました。
そこで前菜として出てきたのが生ハム&メロン。ポーク君はすごく嫌そうな表情を見せましたが,私は彼に「美味しいから食べなさい」と勧めました。
私が彼のことを1匹の豚として扱うなら,当然そんなむごいことは言いません。しかし,今や私にとって彼は,動物の種の垣根を超えた大事な部下なのです。人間の部下と同じように扱いたい,そんな想いから私は彼に生ハム&メロンを勧めたのですが,彼は悲しそうな鳴き声を上げながらレストランから走り去ってしまいました。
それから2週間,彼は出勤していません。もうすぐ彼の有給休暇もゼロになってしまいます。上司として私はどうすればよいのでしょうか。


<回答>
貴方のやったことは,典型的なパワーハラスメントです。「動物の種の垣根を超えた」などというのは,貴方の勝手な思い込みに過ぎません。ここは彼のねぐらを訪ねてきちんと謝罪することが必要です。なお,言うまでもありませんが,お詫びとしてニッポンハムのギフトセットを持参するような愚かな真似は決してしないようにしてください。
それはそれとして,「おいしいドングリ料理」ってどんなものなのか,ちょっと気になります。もっと気になるのは豚に与えられている有給休暇。何をするのでしょうか。