サラリーマン110番⑰機内アナウンスでウケを狙う私

<相談内容>
航空会社で機長を務める52歳のサラリーマンです。
私の生きがいは,飛行中に行う,コックピットからのアナウンスです。
搭乗御礼や航路の天候など,ありきたりの挨拶は顧客ニーズにマッチしていないと判断した私は,5年位前から独自の「ネタ」を織り込んだアナウンスを行い,乗客からはかなりいい反応を得ています。特に,東京−秋田線に搭乗した際に,副操縦士と結託して行う「こんにちはー!なまはげ1号でーす!」「なまはげ2号でーす!」で始まるロングコントは,乗客の爆笑で機体が震動するほど良いリアクションを得ています。
そんな私ですが,東京から西日本方面の路線に乗務した際に披露するギャグやコントは,必ずといってよいほど不発に終わります。西日本で乗客の心を掴むには,どうすればよいのでしょうか。

<回答>
まずはじめに確認しておきますが,乗客は,貴方のコントを聞きたくて搭乗するのではなく,目的地に行きたいから搭乗しているのです。従って,きちんと定時に出発して,定時に到着するというのが,乗客の心を掴む一番の方法であることはご理解いただいていると思います。
そうした前提でお話しますが,大阪を中心とする西日本では,機長からの天然ボケを交えたアナウンスに乗客全員でツッコミ,というのが一番自然な感じがします。ごく自然な感じで当機の目的地を言い間違える,等の軽いボケが適しているような気がします。ただ,乗客が一斉に激しいツッコミを行うことで機体に不自然な荷重をかけるなど,運航に悪影響を及ぼすことは避ける必要があり,慎重な検討を経て,出来れば役員の了承を得た上で機内コントを実行したほうがよろしいかと思います。
いずれにしても,貴方の悩みは世間一般では「どうでもよい悩み」に属することを認識した上で,今後の業務にあたっていただければ,と考えます。