サラリーマン110番⑲万能ドレッシングの開発を命じられた私

<相談内容>
31歳のサラリーマン。
食品メーカーで主にサラダ用ドレッシングの商品開発に携わって6年になりますが,わが社の社長は常日頃からドレッシングの売行きに不満を感じており,「1年以内に革命的なドレッシングを開発して売上を100倍にしろ」と我々開発チームに命じました。
チーム内で議論しましたが,「サラダ用ドレッシング」という概念にこだわっている限り,いくらシェアを上げても100倍の売上は達成できないという結論に達し,幅広い用途を持つ,「万能ドレッシング」の開発に踏み切ることにしました。
現在,チーム内で「どのような用途を想定するか」という議論を行っており,これまでに「ごはんに直接振りかける」「そのままで酒のおつまみになる」「災害時の保存食糧になる」「洗濯用洗剤としても使える」「トイレの芳香剤としても使える」「庭に撒くと防虫・除草効果がある」「シャンプーとしても使える」「通貨としても通用する」「ワンセグ対応」「メール無料」「厄除け」など,様々な機能を持たせることが内定,開発に着手していますが,これらの用途だけでは売上70倍が限界で,あと30倍分が足りません。
売上100倍の達成のためには,どのような用途・効能をさらに追加すればよいでしょうか。

<回答>
平均的な日本の家庭がドレッシング・マヨネーズに支出する金額は毎月300円程度とされているので,貴方の会社の社長の命令は,「日本の家庭が毎月3万円以上買いたくなるようなドレッシングを開発しろ」と言っているようなものです。したがって,そんな社長のたわごとは無視すればよかったのですが,真に受けて開発に入ってしまった以上は仕方がありません。頑張ってください。
それはそれとして,「どのような用途・効能をさらに追加すればよいでしょうか」という質問ですが,私に辛うじて理解できるのは「酒のおつまみになる」くらいまでであり,その先の用途は全く理解できません。ドレッシングに「ワンセグ対応」機能をどのようにして付加するのでしょうか?
もし貴社に「ワンセグ対応」機能を付加するほどの驚異の技術力があるのであれば,次世代DVDの規格争い(ブルーレイディスク対HD−DVD)に参入,「1本でハイビジョン映像を50時間記録できるドレッシング」を作ってみてはどうでしょうか。これが出来れば100倍は実現可能だと思います。