サラリーマン110番⑳創業100周年パーティを任された私

<相談内容>
50歳のサラリーマン。主に繊維製品を扱う商社の社長室長を務めています。
わが社は来年,創業100周年を迎えることとなりました。私は社長から「100周年パーティを成功させれば取締役にする」という約束で,3年前に社長室長に就任しました。それ以来,3年をかけてパーティの招待客を8,900名に絞り込むことに成功しました。何せ100周年ということで,社内各部署から挙げられた招待客候補は総計138,000名にも及びましたが,粘り強い交渉と,4名の役員の引責辞任という重い代償により,ようやくここまでの絞込みを終えたのです。
しかし次に待つのは,この8,900名の招待客のパーティ会場における座席配置をどうするか,という大問題です。招待客の優劣を付ける作業も大変なのですが,6名単位のテーブルにどのような組合せで招待客を座らせるか,というのが最大の難題です。披露宴でもたまたま同じテーブルに非常に仲の悪い客を同席させたために雰囲気が悪くなった,という失敗事例が無数にあるので,私は社長の「費用に糸目はつけん!」という言葉を信じて,8,900名全ての出席者同士の過去の人間関係を洗い出すために,興信所14社と契約を結び,全ての出席者の間の人間関係を調査してもらうことにしました。8,900名の出席者同士の人間関係は,8,900×8,899÷2=39,600,550通りにも及ぶため,興信所からは「調査完了は2009年ごろになる」と言われていますが,社長からは「100周年という大事業だから,数年の遅れは気にしなくて良い」と言われ,総額4,800億円にも上る調査費も気前よく了承してもらいました。
ここまでは私の狙い通りだったのですが,さて,39,600,550通の調査報告書をもらった後にどのようにテーブルの座席配置を決めるか,という難題にぶつかりました。どうしましょう?


<回答>
相談内容が長い割に,「どうしましょう?」という相談ですか・・・。
4,800億円の調査費を了承できる,ということは,貴社は相当好業績だということでしょうから,この調査報告書を元に,スーパーコンピュータで最適な座席配置のシミュレーションを行ってはどうでしょうか。
世界でも最高レベルの「地球シミュレーターセンター」が横浜にあります。ここは,地球上の様々な気象変化等を大量のコンピュータを利用してシミュレーションするために作られた組織っぽいのですが,たぶんお願いすれば,「最適な座席配置」も計算してくれると思います。個人的に聞いてみたところ,「データ入力作業に3年10ヶ月,コンピュータによる試算自体は2分程度で終わるので,費用としては280億円程度で大丈夫」ということでした。
最終的に「100周年パーティ」が何年後に開かれることになるのかは想像も付きませんが,開催しないことには貴方も取締役になれないので,頑張ってみてください。