最高裁が「最高」の座から転落―福島地裁が「日本最高」の裁判所に(2002年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。また,登場する企業名・団体名・個人名は実在のものとは関係なく,かつ時代の変遷と共に変化・消滅しているケースもありますのでお気をつけください。


永年にわたり日本の司法界の頂点に君臨してきた最高裁判所(東京都千代田区)が,「最高」の座から滑り落ちることが7日判明,司法関係者に衝撃が走った。
最高裁を最高の座から引きずり下ろしたのは,10日発売予定の月刊誌「裁判の友」(発行・主婦の友社)4月号。
同誌は,日本国内の裁判所マニア中心に実売部数5万部を誇る硬派の専門誌。そんな同誌における超人気企画が毎年1回,読者アンケートで決定される「裁かれたい裁判所ベスト100」。他誌の企画のパクリではないかとの批判にもめげず,既に12回を数えるまでになったが,毎年4月号はこの結果が掲載されるため,実売部数が通常月の1.5倍に上るという。そして今回発表される「2002年版・裁かれたい裁判所ベスト100」が最高裁にかつてない屈辱を与えるものとなった。
もともと例年のアンケート結果でも,日本の最高裁はフランスのコンセイユ・デタ(最高行政裁判所),米合衆国連邦最高裁に次ぐ第3位に甘んじており,その意味ではもともと「最高」ではないが,「国内最高」の地位だけは12回連続で確保してきた。とはいえ,ベスト10には東京高裁や大阪高裁等,各地の有力裁判所がランクインしており,98年にはわずか3票差で辛うじて日本最高の座を守るなど,これまでにも危うい場面は何度かみられた。
そして今回,最高裁を抜いて第3位に福島地方裁判所がランクインしたことにより「国内最高」の座まで失うこととなった。
部外者にとっては意外感のあるランクであるが,関係者の間では福島地方裁判所は99年7月の八尋庄司所長就任以後,次々と改革策を打出してきた「司法界の風雲児」として急激に評価を上げていた。
「相手が望むものを感じ取れ」「全ての裁判関係者の総合満足度の極大化」「感動を与える判決を」など,所長が所属判事や職員らに檄を飛ばすたびに次々と改革が進んできた。
例えば傍聴席へのビジネスクラスシート導入。「狭くて固い」と不評だった法廷傍聴席の座席を,航空会社から安く払い下げられたビジネスクラスシートに全て取り替えるという世界でも初めての試みを実施。座席幅が従来の45cmから80cmに,前の座席とのシートピッチが40cmから110cmに広がった上,170度までリクライニング可能なセミフルフラットシートは傍聴者に大好評。
また,2000年から始めた「判決速報旗」のレンタルも人気の企画。判決主文を聞いた原告が「全面勝訴」「一部勝訴」「不当判決」などの旗を掲げて裁判所玄関に走ってくるテレビ等でおなじみの光景。しかし,判決内容に合わせて数種類の旗が必要となるうえ,二度と使用する見込のないものを原告がその都度購入したり作成したりするのも合理的ではないということで,八尋所長の英断により裁判所が貸し出すこととなったもの。
全部で50色・18種類の旗を揃え,レンタル以外に販売も行うその様はまさに「司法界のユニクロ」。スカイブルーの地に深紅の文字で描かれた「全面勝訴!」の旗や黒地に金色で「不当判決(怒)」と書かれた旗などが特に人気だという。
来年度からは新たに裁判そのものにおいても判決文の朗読をミュージカル風に行う「歌う判決」や判決理由を端的に川柳で表現する「川柳判決」などのオプションサービスを開始するという八尋所長の目標は「打倒!コンセイユ・デタ」。
司法界の新リーダーとして定着するかどうか,同裁判所の今後の行方から目が離せない。