JR東日本,山手線を廃止−76年の歴史に幕(2001年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。


JR東日本は,4月1日をもって山手線を廃止すると発表した。首都圏の通勤通学の足の要とも言える山手線の突然の廃止発表に,沿線の企業や住民からは一様に驚きと戸惑いの声が上がっている。
今回の廃止は,JR東日本労連山手線運転士支部による運転集団拒否がきっかけとなったもの。同支部の運転士の間では,従来から「ぐるぐる回り続ける人生にもうこれ以上耐えられない」という声が非常に強く,「山手線を他の路線に乗入れさせろ」という要求を続けていた。同社は取締役会で対応を検討してきたが,賛否両論に分かれる中,大塚社長の「山手線はぐるぐる回ってこそ山手線」という一言で要求拒絶を決定した。これをきっかけとして運転士支部が強行策として職場の集団離脱に出たもの。
同社では緊急対応として他の線区から運転士を配転させようとしたが,超過密ダイヤで,ホーム上の安全確保にも気を遣う必要のある山手線の運転は高度な技術を要するため,適任者が集まらなかった。
さらに,窮余の策として,都内のゲームセンターを回って,運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」で高成績をおさめた人材をスカウトしようとしたが,報酬等の条件面が折合わず断念,結局運転再開のめどが立たないことから「この際潔く廃止しよう」という大塚社長の決断により廃止が決まった。
同社では「交通の要である山手線を簡単に廃止してしまうとは非常識である」との批判に対して,「山手線はなくなるが,他の交通手段が充実しているため実質的な影響は殆どないはず」と苦しい釈明をしている。
今回の労連の動きは,JR西日本大阪環状線運転士にも大きな影響を与えているものと見られ,JR西日本では待遇面の大幅改善等も含め,全社を挙げて環状線廃止を回避する構えだ。
一方,廃止後の焦点となっているのが,山手線の跡地利用。JR東日本では,「巨大な環状形を利用した事業を検討している」としている。現段階で有力視されているのが流れるプール,回転寿司,JRAの新競馬場の併設案。内側に流れるプール,真ん中に回転寿司,外側に競馬のコースを配置する構想を検討している。
流れるプールは秒速約10mという猛スピードで,約1時間をかけて都内を一周するコース。また回転寿司は内回りと外回りの2ラインを擁し,客席数12万席,寿司職人2万人,常時30万皿が回転しているという世界最大のものになる予定。ただ,寿司がレーンを一周するのに約30時間を要するため,干からびた寿司が出ることが予想されており,これらの寿司の処分等今後の検討課題が山積している。
競馬場は,やや人気に陰りの見られる中央競馬のてこ入れ策としてJRAが検討しているもので,東京地区第3の中央競馬「山手競馬場」としてオープン,その長いコースを活かし,距離38,000mという世界最長距離を走るGⅠレースを制定する予定で,早くも主要厩舎に出走打診を行っている模様。
いずれにしても,首都圏の風景が大きく変わることになりそうだ。