福岡県北九州市の土産物事情

年末年始の帰省シーズン,駅や空港の土産物売り場は大変な賑わいを見せています。
全国的に有名,あるいは非常に個性的な土産物を擁する地方なら何の問題もありませんが,これといった名産・特産がない地方から帰省する場合は何を買えばよいのか,少々困ってしまうことがあります。人口5万人程度の地方都市に帰省した人が,「地元の英雄」だという,全く聞いたことも無い武将の伝説をモチーフにしたわけの分からない餅菓子を職場に持ち込み,皆に配られた,という事態は誰しも一度は経験しているものです。
私の実家のある福岡県北九州市もそうです。福岡市には,「博多通りもん」などのメジャーな土産物があるのですが,北九州市にはいまひとつ,これという銘菓がないのです(全く無いわけではないですが・・・)。
本日,所用のためUターンのピークより1日早く,新北九州空港(昨年3月に開港)から東京に戻ってきたのですが,全国ブランドの名産品がない悲しさか,空港の土産物売り場では,にぎやかなおばさんが「イチ押し土産」として「長崎銘菓 いちごナントカ(正しい名前は忘れました)」を大声で宣伝しておりました。
しかし,こうした事態に危機感を覚えた地元の菓子メーカー「湖月堂」がついに立ち上がり,新たな北九州銘菓を作ってくれました。その努力と勇気に,私は心から拍手を送り,その菓子を一箱購入しました。ただ,菓子業界ではありがちなことですが,こういう苦しい状況で土産を作ると,大抵の場合そのネーミングは「駄洒落」になってしまうものです。今日購入した菓子もやはり,その路線を堂々と突っ走るものでした。北九州だから・・・

しかも,丁寧に,これまたほとんど関係のないカエルが登場して「おみやげにもってカエル」「うまさにひっくりカエル」と,とどめを刺してくれています。


駄洒落の三重奏のこの菓子の中身はバウムクーヘンです。何層にも重なった生地は,何層にも重なった駄洒落を表しているのでしょうか。来年の帰省シーズンまで,この菓子が生き残ってくれることを願ってやみません。