短期集中連載「ボブとビリーと雄山と」第2回

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アルムおんじ「何!ハイジをビリーズブートキャンプに出せというのか!」
ビリー「そうだ,充分な報酬は払うし,彼女のキャリアにとっても悪い話じゃないだろう」
アルムおんじ「キャリアも何も,ハイジはまだ7歳だぞ。それについこの間,フランクフルトから這這(ほうほう)の体でここに帰ってきたばかりだ。かわいそうだろう」
ビリー「どうしても駄目なら,クララでもいいぞ」
アルムおんじ「クララはうちの娘じゃないから無理だ。・・・そうだ,このヨーゼフはどうだ?」
ビリー「犬にアシスタントを?そりゃ無理ってもんだぜ!なあヨーゼフ!」
ヨーゼフ「ウォン!」
アルムおんじ「韓国か!」
ヨーゼフ「ワン!」
アルムおんじ「中国か!」
ヨーゼフ「クン,クーン・・・」
アルムおんじ「松浦亜弥か!」
奇跡の香りダンス。 (通常盤)
ビリー「誰だ,その松浦亜弥というのは?」
アルムおんじ「この写真の女性らしい」
ビリー「何?これは全米で大人気の日本人コメディアン,ケン・マエダじゃないのか」
アルムおんじ「いや,本人のようだ。俺もよく知らんのだが,日本の歌手らしい。何でも『クンクン』という歌詞を繰り返す歌を歌っていたそうだ」
ビリー「日本!あの極東の島国か!そんな国にまで歌手がいるとはな・・・お,そういえば日本で思い出したが,あの『泣き虫ユーザン』は今どうしてるんだ?」
アルムおんじ「おお,ユーザン!懐かしいな!グリーンベレーじゃ連日しごかれて毎晩ベッドで泣いていたな,あいつ・・・。聞いた話じゃ,祖国の日本に帰って,今じゃ立派なジャパニーズレストランを経営しているそうだ」
ビリー「ジャパニーズレストランか!奴はナイフよりもホーチョーを選んだってわけだな」
アルムおんじ「日本じゃ相当有名になっているそうだぞ。ただ,結構太り気味だとも聞いたな」
ビリー「何!サイコーじゃないか!今,ビリーズブートキャンプの最大の課題は新しい市場の開拓なんだが,日本で奴をキャラクターに使って,ガンガン痩せさせていけばPR効果バツグンだな!いいアイデア,ありがとう!」
アルムおんじ「いや,役に立てて何よりだった」


それから1ヵ月後,東京にて。
ビリー「ここか,ユーザンの経営するジャパニーズレストランは・・・ヘイ,ユーザン!ユーザン!」
(第3回に続く)