物流革命始まる−アサヒビールが「スーパードライ水道」敷設

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全国各地でアサヒビールによる「スーパードライ水道」の敷設が急ピッチで進んでいる。


同社の看板商品であるスーパードライも最近では,発泡酒第3のビールやプレミアムビールに押される形で苦戦が続いており,同社では「鮮度」を売り物にする販売戦略を展開している。
しかし,「工場直送」と言っても,消費者のもとに届くまでには最低でも3日はかかるのが実情。これをさらに短縮するには輸送面で大幅な改革が必要だが,物流業界におけるドライバー等の過酷な労働負荷が問題視されている昨今,これ以上の時間短縮は困難な状況。


そこで同社が考えたのが「スーパードライ水道」の敷設。同社の工場から,契約先の飲食店や家庭まで水道ならぬ「ビール道」を敷設し,蛇口をひねるといつでもスーパードライが楽しめる,というものだ。
水道敷設の初期投資コストは相当額に上るものの,物流コストや瓶・缶のコストが大幅に削減出来,かつ環境負荷も軽減されることから,昨年6月に実験エリアとして飲食街と住宅街が混在する東京都豊島区で敷設を行い,採算の確認を行ったもの。


豊島区内に敷設された総延長250kmの「ビール水道」網の建設コストは200億円近くに上ったが,飲食店3,500軒・個人住宅12万世帯が利用申し込みを行い,1日あたり48,000ケース(1ケース=中瓶24本)相当という,驚異的な売上を記録した。
流通コストもゼロであるため,この売上による1日あたり純利益は軽く1億円を超え,初期投資の回収には全く懸念が無いことも確認された。この実験結果を踏まえ,同社ではこの「スーパードライ水道」を全国に広げる決断を行ったもの。



同社の戦略に刺激を受ける形で,ライバルのビール各社も同様の取組みを開始している。
キリンビールは,様々な銘柄のビール・発泡酒やワイン・ソフトドリンクなどを供給できるよう,内部が100分割された特殊な水道管の敷設を開始した模様だ。
「蛇口から出てきたビールや発泡酒の銘柄が判別できる消費者がどれくらいいるのか」といった根本的な疑問も残ってはいるものの,同社では水道管で供給する対象商品の選定に入っているという。



また,ビール各社以外でもこのアイデアに便乗する動きが出てきている。
キューピーは,食用油価格の高騰を受けて6月1日からマヨネーズの価格を10%引き上げたが,消費者から値上げに対するクレームが相次いでおり,「物流コストの引き下げで元の価格に戻すしかない」と決断,「マヨネーズ水道」の敷設を行う方針を決定した。同社では,「マヨネーズは流動性は低いが,腐りにくい食物なので水道管で送り届けても問題ないと考えている」と話している。



かっぱ寿司」で知られる回転寿司大手のカッパ・クリエイトは,近年の都市部における地価上昇で新規出店が困難になっていることを受け,家庭に直接寿司を送り届けるべく,世界初の「寿司水道」を敷設することを決定した。
水道管の形状の制約から,当面は「鉄火巻」「ネギトロ巻」「かっぱ巻」などの細巻寿司しか提供できない見込みだが,「技術陣の総力を挙げて,いずれは握り寿司を提供できるよう頑張りたい」と意気込んでいる。



いかの活き造りで有名な佐賀・呼子和食店「河太郎」は,「活イカ水道」の提供を2009年から開始すると発表した。活イカは,輸送途中で共食いを始めたり,ストレスで弱ったりするなど,鮮度を保ったまま長距離輸送するのが困難とされてきた。
「活イカ水道」は,イカに元気良く水道管内を家庭の蛇口まで泳いでもらい,蛇口からは内部に埋め込まれたカッターを通してイカソーメンが出てくるという画期的なサービス。
「本物のイカがどういう味なのか,ぜひ知ってもらいたい」と同店は自信を見せる。



こうした各社の水道サービスに対応したリフォームプランを売り出したのが住友不動産。同社の主力商品である「新築そっくりさん」より若干価格が高くなる特別プラン「蛇口がたっぷりさん」を利用すれば,6畳程度のキッチンに最大で400種類の蛇口を取り付けることができるという。
「この先,新たな水道がどんどん出来ても大丈夫」と同社の営業マンは胸を張る。



これら各社の決断は,国内経済にも極めて大きな影響を与えそうだ。超大型の特需に沸いているのが建設業界と鉄鋼業界。毎年30兆円規模の各種水道敷設工事が発生することから,「公共工事が減少した穴を補って余りある」(中堅ゼネコン幹部)と笑いが止まらない。

一方で,スーパー・コンビニなどの流通業界や製缶業界などは深刻な打撃を受けている。特に,「店頭に並べる商品がなくなってしまう」と強い危機感を感じている小型スーパーやコンビニでは,店主自ら敷設済みの水道管を掘り返して,スーパードライ水道と一番搾り水道を連結して混ぜてしまうなど,ささやかなゲリラ活動を繰り返している模様だ。



水道の導入で消費者の生活が便利なものになるのは間違いないが,蛇口を閉め忘れると台所がイカソーメンやカンピョウ巻で溢れかえってしまうリスクも充分に意識した対応が必要だ。