政治家・麻生太郎の生き様と映画「サッド ヴァケイション」
突然の安倍首相辞任という緊急事態の直後,間違いなく次期首相への最短距離にいた,麻生太郎。
小派閥の領袖として総理の座に着く千載一遇の好機に恵まれた,麻生太郎。
なのに,わずかなきっかけで流れは一変,もはや福田総裁誕生が確実な現状に直面している,麻生太郎。
誰もが感じているのではないだろうか。
なぜ,何も考えず不用意な発言(「安倍首相の辞意は2日前に聞いていた」など)をして「幹事長の立場を濫用している」という批判を浴び,自らの立場を苦しくしてしまったのか。
なぜ,負けると分かっていて再び総裁選に出馬し,負けても何事も無かったかのように翌日から振舞えるのか。
そしてなぜ,しゃべる時にあんなに口を尖らせるのか。
こうした疑問に答える映画が今,公開されている。
損得を考えず,そのときの感情と惰性で行動する出演者。
ひどい犯罪に巻き込まれてもすぐにそのことを忘れ,何事も無かったかのように暮らし始める出演者。
口を尖らせて北九州弁を放つ出演者。
浅野忠信,石田えり,宮崎あおい,オダギリジョーらのキャストに混じって麻生太郎が出演していても何の違和感もない映画だ。
「とてつもない日本」を読んで麻生太郎に関心を抱いた人は必見だ。
ただし,全編北九州弁(=いわゆる博多弁とは相当違う)なので,事前に予習をしておくことをお奨めする。
また,映画で描かれている北九州はとんでもなく恐ろしいところになっているが,実際にはそれほどでもないことも付言しておきたい。