サラリーマン110番(42)首相と同姓同名の私
<相談内容>
44歳のサラリーマン。
昨日,私と完全に同姓同名の総理大臣が誕生しました。特に血縁関係もないのですが,何となく嬉しい気分になっていたところに,首相官邸から電話がかかってきて,「至急面談したい」との連絡がありました。
総理が組閣構想を練るため泊り込んでいる赤坂の某ホテルのロビーに到着すると,首相秘書官を名乗る男がやってきて,次のような話をしました。
- 官邸では,歴代新首相が誕生すると,同姓同名の人物を全国から探し出して「あるお願い」をしている。
- それは,首相在任中に犯罪・不祥事を起こさないという約束をしてもらうこと。
- 首相と同姓同名の人間が犯罪・不祥事を起こすと,政権に有形無形のダメージが生じる。このため,こうしたことがないよう,個別にお願いをして「誓約書」を書いてもらっている。
- その際,保証金100万円を一旦払ってもらい,首相退陣までの間に犯罪・不祥事を起こさなければ,退陣後に保証金を2倍にして返却する。
犯罪には無縁な生活を送っているので,これはいい話だと思い,すぐに誓約書にサインして,100万円を支払いました。
相談ですが,総理がちょうど1年後に退陣すると,運用利回りは年率で100%ちょうどになりますが,2年5ヵ月後に退陣した場合の運用利回りは,どうやって計算すればいいのでしょうか。
<回答>
複利計算の方法を説明してもよいのですが,そんなことを気にするまでもなく,貴方が詐欺に遭っているのはほぼ間違いのないところです。事件としてはちょっと面白いので,警察に届ける傍ら,マスコミにニュースとして売りに行ってはどうでしょうか。情報料として多少の資金は回収できると思います。
なお,言うまでもありませんが,回収しようと思って他の「福田康夫」さんや,「麻生太郎」さんを電話帳で調べて呼び出すと,貴方自身が犯罪者になってしまいます。
万が一,100万円を支払った相手が本当に首相秘書官だったとしても,誓約書に反する行為をしたことで,保証金が戻ってこなくなるので絶対止めるべきです。