アコムで初の機械取締役誕生(1999年)


注:このコーナーは,1999〜2006年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報および今日の状況に合わない情報が含まれていますのでお気をつけください。


消費者金融大手のアコムで,人間以外で初の取締役が誕生し,話題になっている。


今回取締役に選任されたのは,アコム大阪梅田西口店の無人受付機「むじんくん」の3号機。同機は,梅田西口店無人コーナーに平成8年5月に配属され,同僚の機械11台と共に無人受付・審査に当たってきた。

同社の無人受付機は平均して6ヶ月に1回程度故障しているが,同機は平成10年末までの2年7ヶ月間,一度も故障せず極めて効率的な営業を継続してきた。故障しないことから固定客も多く,同店12台の受付機の中でずば抜けた新規契約数・融資額・低事故率を誇っている。

今回の取締役選任は,こうした同機の優れた実績を評価すると共に,人間の営業マンに対して刺激を与える意味合いもあるものと考えられている。



同機は東京に転勤,世界初の「無人取締役」として経営に参画することとなったが,悩みも少なくない。

今回の転勤は大阪に妻子を残しての単身赴任。妻の恵里子さん(35)は「偉くなるのも考えものです(笑)。週末には帰ってきてほしい。」とさびしそう。長男の裕太くん(3)はまだ父親の転勤が理解できないのか,毎日玄関で父親の帰りを待っているという。

もう一つの悩みは機械ならではのもので,西日本から東日本への移動に伴い,電気の違い(50hz/60hz)に体がついて行けず,「非常にだるい」とこぼす。

また同機にとっての最大の悩みは「お客様と触れ合う機会がなくなる」ということ。営業一筋で来ただけに経営手腕は未知数。

一部には「セガの湯川『常務』と同じくPR人事じゃないのか」という辛口の声もあるが,全国1500台の無人受付機の仲間のためにも負けられない日々が続く。