日本郵政,民営化後の本拠地を東京ドームに移転−総合力発揮を狙う

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日本郵政株式会社は10月1日の民営化と同時に,(株)東京ドームとの間で不動産等価交換により取得した東京ドーム(東京都文京区)に本部機能を移転した。

(株)東京ドームは丸の内にある東京中央郵便局の敷地及び建物を取得しており,今後現ビルの解体工事が始まる予定だ。


民営化により,事業ごとの分社化が実現した同グループの西川社長にとっては,グループの総合力をいかにして発揮させるかが最大の課題。

西川社長は,各事業会社の本部を1フロアに集約して監督したいという意向を持っていたが,郵便・貯金・簡保の3事業の本部職員だけでも8,000名を超える陣容であるため,現在の霞ヶ関のオフィスはもちろんのこと,東京中央郵便局を建て替えた後も1フロア化は不可能であるとされていた。


一方の(株)東京ドームの林社長も,東京ドームの今後の扱いで悩んでいた。

日本ハムの北海道移転に加えてプロ野球人気自体の低迷により,ドーム事業の収益性に陰りが見えてきているなか,来年には開業20周年を迎え,徐々に老朽化が目立ち始めたドーム自体のメンテナンスにも相当の費用がかかることが確実になっていた。

都心の温浴施設として大人気のラクーアとともにオープンさせたドームシティアトラクションズ(旧後楽園ゆうえんち)は好調な業績を確保しており,「何とかしてアトラクション等のレジャー施設運営に経営資源を集約したい」というのが林社長のここ数年の念願であった。

そんな両者のニーズと思惑が一致し,今回,等価交換契約が成立したもの。


日本郵政は,民営化初日の1日から早速,東京ドームのグラウンド上で事業会社3社および郵便局会社の計4社の本部活動を開始している。

西川社長の指示に基づき,ホームベースからレフト(左翼)にかけて簡保会社の本部組織を,同じくホームからセンター方向にかけて郵便局会社および郵便事業会社の本部組織を,そしてホームからライト(右翼)方向にはゆうちょ銀行の本部組織が配置されている。

グラウンドを取り囲む観客席には,郵便物の仕分け作業用の機械およびコールセンター機能を配置している。


西川社長をはじめとする持ち株会社の幹部は,バックネット裏にある放送用ブースに陣取り,各事業会社の本部が機能的に活動しているか,朝から晩まで厳しい視線を投げかけている。

ドームの天井に設置されたスピーカーからは,西川社長の「ゆうちょー,頑張れー!」「ゆうびーん,休むなー!」「かんぽー,声出して行けー!」という叱咤激励の声が休む間もなく飛んでくる。

社長らの席にはドーム天井のカメラの操作パネルがあり,勤務中の職員それぞれの仕事ぶりを思い切りズームアップして観察することが可能になっているほか,職員らが使用しているパソコンの画面も自由自在にモニタリングできるため,業務時間中に全然関係ないサイトを閲覧している職員は,西川社長から直接大目玉を食らうことになる。

初日の1日も,業務時間中に脳内メーカーで遊んでいた職員に対して,天井のスピーカーから容赦なく「ゆうちょ銀行代理店営業部の○○,お前の脳には『食』しかないのかー!」という社長の罵声が浴びせかけられた。

また,業務時間が終わると,バックスクリーンのオーロラビジョンに社長が選んだその日の「MVP」「ワーストプレーヤー」が映し出されることになっており,職員らは気を抜く間もなく業務にまい進している。


西川社長が民営化後の本拠地として東京ドームを選んだ理由は,経営者が全体を鳥瞰しやすいことばかりではない。「時間外労働の削減」も促進できるというのが2つめの理由だ。

この東京ドームは,日本郵政グループの本拠地となった後も,読売巨人軍の本拠地および日本ハムファイターズの準本拠地としての契約を継続している。

このため,これらの球団の主催試合が実施される日は,「強制ノー残業デー」として,午後4時30分までに通常業務を終えた上で,机・椅子等を含む什器類を午後5時までにグラウンド・観客席から撤去して明け渡す必要がある。このため,プロ野球シーズンの4月から10月までは,残業の出来ない日が続く,という仕掛けだ。

どうしても残業せざるを得ない場合には,上司だけではなく,試合を行う両チームの監督にも許可を得る必要がある

初日も,郵便局会社の職員2名が残業せざるを得ない事態に巻き込まれ,原監督と古田監督に了解を得て,午後9時過ぎまで左中間で残業を続けた

8時ごろには,巨人・高橋選手の打球が職員らの方向に飛んできたためやむを得ずダイレクトキャッチしてしまい,その扱いをめぐって試合が15分間中断するというハプニングも発生しており,職員らは「二度と試合中の残業はしたくない」と語っている。


シーズンオフとなる11月以降は,年賀状などで日本郵政グループの業務が繁忙になる時期と重なっており,「思い切り残業してもらう」(西川社長)と,メリハリの効いた勤務になりそうだ。


なお巨人軍は,日本郵政グループの本拠地の東京ドーム移転に祝意をあらわすため,パウエル投手の登録名をオリックス在籍時の「JP」に戻すことを発表している。



一方,丸の内の超一等地を取得した(株)東京ドームでは,東京中央郵便局跡地に,後楽園ゆうえんちで培った狭小地アトラクション運営のノウハウを活かした,都心型テーマパークを建設する方針を明らかにしている。

ビジネス街であった丸の内も近年では,丸ビル・新丸ビルをはじめとする商業施設の集積が進んでおり,ショッピング客や観光客らがテーマパークにも相当数流れてくる,と読んだものと見られる。


同社では,「場所柄,ビジネス上のニーズにも対応できるアトラクションを取り入れたい」としており,現在のところ,高さ80mという国内最大級のバンジージャンプの建設が決定しているという。

同社では,「様々な不祥事が目立つ昨今,企業が社員を懲戒するための新たな手段として売り込んでいきたい」と考えており,年間100名まで定額料金でバンジージャンプが利用できる「従業員懲戒プラン」を都内の企業に売り込み始めている。


「もうしませーん!」と悲鳴を上げながら次々にサラリーマンがバンジーで宙に舞う光景が丸の内の新名物になる日も遠くなさそうだ。