NEXTミシュラン東京(1)築地・江戸銀


注:この記事は,先日発表されたミシュラン東京ガイドブックでは惜しくも星獲得がならなかったものの,将来の3つ星獲得を目指して努力を続ける飲食店を紹介するものです。内容については,非常に高い確率で事実と異なる場合がありますので,その点をご了承のうえお読みください。



築地・江戸銀

江戸銀(えどぎん)という名前でお分かりの方も多いと思うが,ここは,ジーンズメーカーとして有名なEDWIN(エドウィン)を親会社に持つ,外資系の寿司屋である。

全部で14名いる寿司職人の国籍は8カ国にわたり,英語・イタリア語・ポルトガル語での注文も可能だという。

本日は,当店1番人気の「江戸銀ときめきDXコース(1人前12,000円)」で出てくるメニューの一部をご紹介しよう。



ジーンズのたたき>

コースのはじめに出てくるのが2cm×8cm程度のサイズのジーンズ生地を軽くあぶっただけで出される「ジーンズのたたき」。

たっぷりのにんにくと刻み生姜を乗せてケチャップでいただくのが江戸銀流。

客の3人に1人は「ジーンズなんか食えるか!」と最初は怒り狂うものの,このジーンズのたたきを一口食べるととあまりのうまさに無言になるという。

食感はビーフジャーキーにやや似た感じで歯ごたえもあるが,噛めば噛むほどにじみ出てくる古き良き時代のアメリカンテイストに不思議とケチャップがマッチする。

江戸銀によれば,お肌に良いとされるコラーゲンをたっぷり含んでおり,健康食品としても大ブレイク寸前だという。そんな逸品を一足早く口にするチャンスだ。



ジーンズの握り>

「たたき」がジーンズ素材そのものの荒々しさを楽しむ料理だとすれば,この「ジーンズの握り」はジーンズの繊維のやわらかさと香りを堪能できる一品だ。

細く千切りにされたジーンズ生地を2昼夜にわたり煮込む。茹で上がったジーンズはほぐされ,その姿はまさに「蒼いフカヒレ」という異名にふさわしい

このほぐされたジーンズは,江戸銀秘伝のタレに1昼夜漬け込まれ,そして客に軍艦巻きとして出される。

衣類とは思えないその深い味わいは,まさにジーンズメーカーならでは。

世界でも「江戸銀」でしか食べることの出来ないジーンズの握りは,DXコースならば食べ放題なのでガンガン注文しよう。



<ビンテージ鉄火丼

ジーンズの本当の高級品はビンテージ。その発想を採り入れた江戸銀の名物鉄火丼がこれだ。

どんぶりの飯の上に載っているのは8切れのマグロのヅケ。だが,他の店で見るヅケとは比較にならないくらい色が黒く,一見しただけでは鉄火丼だとは気付かないほど。

そう,ここのマグロのヅケは,秘伝のタレにマグロ赤身を実に一世紀にわたり漬け込んだ,まさに超ビンテージものなのだ。

今日客に出されているマグロは,まだ日本が日露戦争を戦っていたころに漬け込まれたものだという。

数々の戦火をかいくぐり今日まで無事に生き残ったマグロの味はビンテージものらしく,もはやマグロらしさを微塵も感じさせない

普通の鉄火丼の方が食べやすいのは間違いないが,「名物に美味いものなし」という格言を体感する意味でも一食の価値はある。



コースの最後には食事(ジーンズ茶漬けまたは稲庭ジーンズうどん)がついており,食べ終わった後の満腹感と胃もたれは他では経験できないもの。

ナンバーワンよりオンリーワンを目指す当店をぜひ一度お試しいただきたい。