「ドレミのうた」自由化で全銀協に分裂の危機

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永年歌い継がれてきた「ドレミのうた」歌詞自由化の影響で,全銀協が分裂の危機に晒されている。



「ドレミのうた」は,もともと「サウンドオブミュージック」の劇中歌だが,日本ではペギー葉山さんが日本語歌詞版を歌っている。小学校の教科書等でも広く採用されており,誰もが必ず歌える楽曲として定着している。


しかし,その日本語歌詞は「ドーナツ」「レモン」「みんな」「ファイト」「青い空」「ラッパ」「幸せ」と,何の脈絡もない単語が並べられているなど,「適当に作ったとしか考えられない」(作詞家・湯川れい子氏)内容という評価が一般的だ。


この曲の歌詞は,小学校等を通じて児童の頭に刷り込まれることから,早期の見直しを求める声が数十年前から文部省・文部科学省に寄せられ続けていた。

特に,「ドーナツ」など具体的商品に関する部分については関係業界から強い要望や批判が寄せられており,ファーストフード業界でドーナツと競合する日本マクドナルドでは,「『ドはマクドのド』に改正すべき」という意見を11年前から文部科学省に送り続けているという。

「ラッパ」「幸せ」についても,ラッパのマーク正露丸でおなじみの大幸薬品にあまりに有利だとして,医薬品業界も同省に善処を求め続けている。


文部科学省では,「なぜわが省で食品業界や医薬品業界の紛争調整をしなければいかんのか」といった声が次第に強まるなか,渡海文部科学大臣の政治決断で「一種の規制緩和として,ドレミのうたの歌詞を自由化する」ことが決まったもの。



この自由化を受けて,各方面で続々と新たな「ドレミのうた」が誕生している。

「ドは泥ねぎのド,レはレタスのレ,ミはミカンのミ,ファはアルファルファ・・・」と続く「農作物ドレミのうた」はNHKみんなのうたに採用されたほか,「ドは土下座のド,レは礼儀のレ,ミはみそぎのミ,ファはファクト(事実)のファ・・・」で始まり「シは謝罪のシ」で終わる「記者会見心得版ドレミのうた」はオリコン初登場11位を記録するなど音楽業界にちょっとしたブームを巻き起こしつつある。



こうした流れを受けて,全国の銀行等が加盟する全国銀行協会でも「全銀協版ドレミのうた」の制作を行うことを決定,早速作業部会が立ち上がった。


何の異論もなく決定したのは「ファ」。

ファは熊本ファミリー銀行のファ」という歌詞について「相当早口で歌わないといけない」という意見も出たが,当の熊本ファミリー銀行は「スピード感のある経営を目指す当行にピッタリ」と意に介さない。


「ソ」も「りそなのソ」に決まるなど,順調に進むかに見えた作業部会だったが,激震が走ったのは「ミ」をめぐる議論。みずほ,三菱東京UFJ,三井住友のメガバンク3行が同時に手を上げたのだ。


これまで誰にも意識されることはなかったが,この3行の名称はいずれも「ミ」で始まっており,どこも譲る気配を見せない。

歌詞としての語感を考えれば当然にわが行に決まっている」と主張するみずほに対し,「決定権限は全銀協会長行たるわが行にある」と譲らない三井住友,さらには「この日のために,UFJとの合併時にわざわざ行名の『東京』と『三菱』の順番を入れ替えたのだ」と,三菱東京UFJも一歩も退かない構えになった。

「毎年会長行が代わる都度,歌詞を変えることでどうか」という妥協案も出たが,これには「毎年変えるなら,我々も入れるべきだ」と三重銀行宮崎銀行などが猛反発し,白紙に戻った。

年度内に全銀協会長行権限での決着を目指す三井住友に対し,みずほと三菱東京UFJは態度を硬化させて全ての会合等への出席を拒否する等,「会長行交替」までの時間稼ぎ作戦に出てきている。

最悪の場合,全銀協の三分裂もあり得る事態に渡辺金融担当大臣は「もっと大人になって冷静に対応してもらいたい」と苦言を呈したが,「日銀総裁も決めきれない政治家に口出しされる筋合いはない」とばっさり切り返された。


金融界では,「最終的には年度内にも『ミは三菱東京UFJみずほ三井住友のミ』という歌詞で決着するのではないか」との見方が強まりつつあるが,「海外からメガバンク3行が合併したとの誤解を受けるおそれがある」として否定的な見方をする向きも多い。



雲行きの怪しい日本経済に悪影響を与えないよう,早期の解決が望まれる。