サラリーマン110番(54)奇跡の居酒屋タクシーに乗り合わせた私


<相談内容>

41歳のサラリーマン。

先日,急な仕事で深夜2時まで働くことになり,当然電車もないのでタクシーで帰宅(自己負担)しました。

乗車した個人タクシーの運転手は「お仕事ですか?それはお疲れ様でした」と言ってまず生ビールの注がれたジョッキを出してくれました。どうやら助手席の下に生ビールサーバーが仕込まれていたようです。

その後,随分妙なハンドル捌きをするなあと思っていたら,何とハンドルと手の隙間をうまく利用して寿司を握っているのです。とりあえず赤身,エビなど3種類をいただいたところで「ごめんなさい,ネタが切れたのでちょっと補給させてください」と,突然私の自宅とは逆方向に車を走らせ始めました。

着いたところは午前3時過ぎの築地市場で,そこで競りが始まる午前5時まで休憩した後,運転手さんはは自ら競りに参加,30分後には数十種類の魚介類を仕入れて戻ってきました。

仕入れたばかりの新鮮なネタで運転手さんによる寿司の続きを楽しんでいるうちに午前7時10分,自宅に到着しました。


「次回は予め言って下されば,お好みの魚を車内で活け造りにも出来ますよ」と親切に言ってくれた運転手さんが示した料金は8万9千円。明細を見ると,築地市場が開くまでの間の待ち料金が一番大きく,また居酒屋らしく「お通し」で800円取られていました。

時節柄,「居酒屋タクシーで接待を受けた」ことを会社に報告したほうがいいのでしょうか。


<回答>

居酒屋タクシーと一口に言っても,相談者の例にあるように,かなりサービス内容には違いがあるようです。

茨城県内のサラリーマンからは,車内で運転手があんこうを吊るし切りにして,鍋を振舞ってくれる「あんこうタクシー」という例も報告されてますし,八丈島の自営業者の方からは,ビールのおつまみとして車内の七輪で「くさや」をこんがり焼いてくれる「くさやタクシー」の情報も入っています。

いずれにしても,貴方の場合は5時間も車内に軟禁された上,法外な料金を請求されているわけなので,会社に「接待を受けたこと」を報告すると同時に,警察にも被害届を出したほうがいいでしょう。