日本漁業界に朗報-「魚を沿岸に呼び寄せる」技術が実用化へ


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燃油価格等で漁業経営が極めて苦しい情勢に置かれているなか,沖合いの魚を日本沿岸まで呼び寄せることで漁に必要な燃油を大幅に節約する取組みがいよいよ実用化段階に入ってきた。


灯や餌で魚を呼び集めて漁獲効率をあげるという考え方自体は現在の漁法にも取り入れられているが,今回実用の目処が付いたのは,本来は沿岸から数百km以上の沖を回遊している魚を,陸地から数百mの沿岸まで呼び寄せて獲る,という画期的な技術。その核になるのは実は「人間」だというのが今回のアイデアのポイントだ。


全国漁業協同組合連合会(全漁連)の研究委託を受けていた(財)人間科学総合研究所では,海に入るとやたらとクラゲに刺される人や,海に入ったとたんイルカが近寄ってくる人がいることに着目。何がこれらの生物を引き寄せているのかを,膨大な実験を繰り返して研究してきた。

その結果,これらの生物を引き寄せていたのは,人体から発されるごく微量の分泌物であり,しかもその分泌物の種類によって引きつけられる生物が違うことを突き止めた。

同研究所では,食用となりうる全ての魚類等について,どの分泌物に引き寄せられるのかの実験を繰り返し,6月までに,クロマグロからカタクチイワシ,ナマコやワタリガニにいたるまで686種類に上る魚介類を引き寄せる分泌物の特定に成功したもの。

これらの分泌物の威力はものすごく,例えば同研究所で「PtP311」と命名された分泌物10ミリグラムを海岸で投下すると,1時間後には海面が埋め尽くされるほど大量のカツオが押し寄せてくるという。


こうした研究結果を受け取った全漁連では,「魚を引き寄せられる分泌物を出せる人間をリストアップして,港で海に入ってもらえば狙い通りの魚種を沖合いまで行かずに獲れる」と色めきたった。

しかし問題は,人体から放出される分泌物は,全部で2万種類にも及ぶと言われており,個体差が激しいため,誰がどのような分泌物を出せるか一見しても分からないこと。全漁連としても,道行く人を手当たり次第に海に漬けて魚が寄ってくるかどうかを確かめることも出来ないため,途方にくれていた。


そんななか,15日の全国一斉休漁等に心を痛めながらも,燃料代の直接補填が困難である点に悩んでいた若林農水相が動いた。
舛添厚生労働相と面談した若林農水相は,「全国民の健康診断において,血液検査でこれらの分泌物の有無を検査すること」を強く求めたのだ。メタボチェックの開始など,健康診断のあり方が大きく変わった流れを捉えたこの要請に,舛添大臣も「国益にかなうもの」と受け容れ,ただちに7月からの健康診断でこれら2万種類の分泌物検査を義務付けることとしたもの。


検査に使用するため,1回の採血量が500ccに増加する等,現場に多少の戸惑いはあったものの,早速7月後半だけで合計30万名分の分泌物データの採取に成功。これらを分析した結果,早速「サワラ」「ボラ」「マダラ」「スルメイカなどの魚種を引き寄せる分泌物を大量に放出できる人間を発見できたものだ。


茨城県水戸市に住む会社員,中村礼二さん(36)は,勤務先で受けた健康診断で,「カラスガレイを呼び寄せる能力では百万人に一人の逸材」との判定を受け,早速全漁連から協力要請がやってきたという。
ちょうど夏休みで,家族連れで海に行く予定があった中村さんは快諾。大型船も行きかう鹿島港でゆっくりと泳ぎ始めたところ,わずか30分後には恐怖を覚えるほど大量のカラスガレイが押し寄せてきて,その後地元の漁船団が港内で1時間で260トンもの水揚げに成功したという。

中村さんは「自分にこんな才能があるなんて驚いた。日本漁業に貢献することが出来て本当に嬉しい」と顔をほころばせていた。



これまでのところ,全国で発見されたこうした体質を持つ人間は約120名。いずれも各地の海岸でめざましい成果をあげ始めている

「トラフグ」を引き寄せる分泌物がまだ特定されていないなど,今後の研究課題は山積しているものの,日本の漁業界が大きく変わることになりそうだ。