企業の広告戦略,一段と多様化−「冠スポンサー付き内部監査」まで登場

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


牛丼チェーン大手の松屋フーズが食券の裏に広告を導入する等,従来は考えられなかったような場所・シチュエーションにまで「極限の広告」を入れようとする動きが活発化している。本日はそんな事例を追ってみた。


東京・豊洲にあるNTTデータ(株)本社。比較的若い社員の姿が目立つ同社の11Fに設けられている社員食堂でこの7月から導入されたのが,「スポンサー付きおかず」だ。

同食堂はカフェテリア方式になっており,社員は選んだ品数等に応じて支払いを済ませるが,この「スポンサー付きおかず」だけはスポンサー負担により無料となっている。

実際におかずを提供するスポンサーになっているのは住宅メーカー大手の大和ハウス。「比較的若手の社員は,今後住宅を購入する大事な見込み客。これらの社員におかずを無料で提供することで大和ハウスの名前を売り込んでいきたい」(同社営業部員)というのが狙いだ。

8月4日のスポンサー付きおかずは「カジキマグロのステーキ」だったが,表面にはしっかりダイワハウス」という焼き印が押されている。食堂ではこのおかずを選んだ社員らがステーキの表面を見て「何でダイワハウスなんだ」とつぶやく場面が多数発生しており,ダイワハウス側では「目論見どおり」と喜んでいるようだ。今後,このおかず提供の効果がどれくらい現れるか注目される。

墨田区に本店を構える東京東(とうきょうひがし)信用金庫。ここでは,同社の営業エリア内に本社を持つ家庭用品大手メーカーが冠スポンサーとなった「LION業務監査」と呼ばれる内部監査が実施されている。世界でも例を見ない「冠スポンサー付き内部監査」導入に踏み切った理由を両社に尋ねてみた。

東京東信用金庫の導入理由は単純明快だ。
「業務監査を含む,内部統制コストは上昇するばかり。何らかの形でこのコストを削減する方法がないか模索していたところ,LIONからスポンサー契約の話があり,業務監査費用の70%を負担してもらうということで条件が折り合った」(同金庫総合企画部長)という。

一方のLION側は,内部監査費用を負担する理由をこう説明する。
「近年,企業の内部監査の重要性が一段と高まっており,社員は内部監査担当者から提示される問題等を真摯に受け止めるという企業風土が定着している。内部監査の場で監査担当者がCMを行えば,被監査部署の社員らは当然真摯にその内容を受け止め,購買行動につながるのではないか」(LION経営企画室長)。

同信用金庫では,LIONがスポンサーとなって以来,業務監査最終日に被監査部署の部長以下に監査結果を伝える会議の冒頭で,業務監査部長以下監査担当者全員で,LION製品のいわゆる「生CM」を実演しているという。

8日に監査結果を伝達された同金庫システム管理部では,「ルックきれいのミストキッチン用」を対象とする生CMをたっぷり20分にわたり見せ付けられた後,監査結果が4段階評価で最上位の「A」評定であることを告げられ,業務監査部長から褒美として部員全員分の「LION製品詰め合わせセット」を贈られた。

同金庫ではこうした業務監査の効果か,ライオン製品の購入頻度が著しく上昇している模様で,こちらでも所期の目的を達しつつあるようだ。


業務監査関連ではこのほか,千葉県の八千代銀行がベビー用品大手と組んだ「アカチャンホンポpresents業務監査」を導入済みだ。こちらでは監査結果を「赤ちゃんの笑い顔(良好)」「赤ちゃんの寝顔(普通)」「赤ちゃんの泣き顔(やや問題あり)」「赤ちゃんの激怒顔(大いに問題あり)」の4種類の絵で表示するようにしており,「なんとなく雰囲気が柔らかくなった」と好評のようだ。


今後も続々と企画・開発されるであろう新たな「極限の広告」に注目したい。