新・日本経団連ビルオープン−予想外のシステムに職員ら困惑


注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


東京・大手町に誕生した高層ビルに入居したサラリーマンの間に困惑が広がっている。



問題のビルは,4月16日に竣工披露されたばかりの,日本経団連会館。5月8日の完全オープン目指して順次移転作業が進んでおり,既に業務を開始している部署も少なくない。
そんな彼らを困惑させているのは,このビルが「世界最先端の環境負荷軽減型ビル」である点。



環境負荷軽減のための様々なシステムが導入されているが,その一つが全館に導入されている「人感センサー付き照明」。無人エリアの照明を自動的に消して,消費電力を削減するという最新鋭の照明設備だ。
センサーは全ての天井照明に内蔵されており,照明器具の真下を中心に半径3mの範囲内での人の動きを感知している。3分間動きを感知できないと,明るさが70%に落ち,5分で50%,10分で完全に照明が消える設計になっている。
ただ問題は,このセンサーの反応が極めて鈍いこと。パソコンに向かってキーボードを叩いたり,受話器をとって電話をする程度では「動き」として感知されないため,照明を維持するためには少なくとも3分おきに「書類を誰かに投げつける」「両手を大きく広げて驚きを表現する」「渾身の力を込めて拳を机に叩きつける」など,センサーに感知されるレベルの動きが必要になっている。
働いている職員らは,照明が消えないよう,やむなくオーバーアクションの仕事ぶりを強いられており,来客からは「非常にエネルギッシュな職場ですね」と誉められることもあるようだが,毎晩10時過ぎには動きすぎてヘトヘトになった職員らがぐったりして家路につく姿も見られている。



また,世界トップクラスの省エネ型エレベータが導入されているのもこのビルの特徴だ。
このエレベータは,乾電池1本で2台のエレベータを1ヶ月間運用できるという。もともとエレベータは,2台の全く同じ重さの箱を滑車を介してぶら下げると,摩擦・抵抗がない状態では理論的にエネルギーゼロで運用できることが知られている。
このビルのエレベータも,新たに開発された超低摩擦の滑車を介した2台1組になっており,片方が1F,片方が23Fに停止している状態から,乾電池の電力を利用してでわずかな初速をつけることで,極めて静かに昇降がスタートする。停止をする際には手動のブレーキをかける仕組みであるため,電気エネルギーを利用しないという,まさに「コロンブスの卵」的な発想のエレベータだ。
ただ,このエレベータは,常に2台一組で運用され,かつ乗客の重量が完全に一致する必要があること,また「23Fから3Fに行きたい乗客」と「1Fから5Fに行きたい乗客」は同時に運べないこと,さらにエレベータへの乗降は,ペアになっている2つの箱の間で連絡をとって完全に同時に行わないと大惨事になること等,運用面で難しさを抱えているのも事実だ。
このため,日本経団連では「エレベータ搭乗予約システム」を導入,職員は携帯電話から「搭乗希望日時・乗降希望階・体重および持ち込み荷物の重量」を登録すれば,自動的にマッチングが行われ,メールで連絡が行われるという。
しかし,一部の利用者が体重を「サバ読み」して入力したため,エレベータがバランスを失して急加速してしまいあわや大惨事,というケースが続出した模様で,ビル管理担当部署では「体重は正確に入力するか,恥ずかしくない体重になるまで階段を利用するかしてほしい」と訴えている。



さらに,このビルでは廃棄される紙類をビル内で再利用する点も大きな特徴になっている。
ビル内で廃棄された一般文書は,すべて屋上のヘリポート脇に設けられた「大手町牧場」に集められる。
この牧場内で大きな存在感を示しているのが,総数146頭の山羊たちだ。廃棄された文書類は,山羊が食べやすいサイズに裁断された後,朝・昼・晩の3回に分けて餌として与えられる。
毎日大量に廃棄される文書を食べて大きく育った山羊は,毎月「8」のつく日に,長寿健康食として広く知られる「ヤギ汁」に姿を変えて,ビル内で働く職員の昼食として提供される予定だという。ヤギ汁は,文書廃棄量の多さに基づき配分される予定で,「A4サイズ300枚程度の廃棄量につき1杯(約500g)が目安になる」(日本経団連)という。
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かなり個性の強い味のため一般には好き嫌いが分かれるヤギ汁だが,飲食施設が大幅に不足しているこのビルでは,ヤギ汁が「貴重な昼食」として人気を集めるのは必至と見られており,「職員らがヤギ汁目当てで必要な文書も捨ててしまわないか心配だ」(幹部)という声も出ている。



働く人間に優しいのか厳しいのか容易には判断し難いこのビルだが,今後さらに,どのような新システムが導入されることになるのか,注目が必要だ。